建設業を軸にオホーツクの暮らしと産業を支える 「渡辺組」 渡辺勇喜さん
地域課題を解決する、多角的な事業展開
――建設業にとどまらず、ホテルや下宿など多角的な事業を行っていますね。
「経営の基本からすればタブーかもしれませんが、弊社は『地域の課題解決』を軸に事業を広げています。例えばホテル経営は、昭和50年代に町に宿泊施設や宴会場が不足し、人を呼び込めないという課題があった際、祖父が名乗り出たのが始まりです。高校生向けの下宿も同様で、遠軽高校へ部活動のために道内から入学してくる生徒の受け皿がないという困りごとに対し、私たちが寮を建てて運営を始めました」
――地域課題をビジネスに変えるという考え方は、どのように培われたのですか。
「地域が困っていることは、ニーズの裏返しです。世の中が困っていないことをビジネスにしても成功しません。利益が出るかどうかは別の話ですが、地域課題を解決することで感謝され、その信頼が本業の建設業に返ってくる。そうした繋がりを大切にしています」
「ワンチーム遠軽」で創る、誇れる町の未来
――遠軽高校の部活動支援も非常にユニークな取り組みですね。
「吹奏楽、ラグビー、野球など強豪部活動を応援するため、プロチームのようなブランディングを行っています。旧白滝村で出土した日本最古の国宝・黒曜石の矢じりをモチーフに、ラグビー部のチーム名を『ブラックストーンズ』と名付けました。黒を基調としたユニフォームやバスを仕立て、憧れを生むことで、さらに入学したくなる仕組みを作っています」
――その取り組みは、町全体にどのような影響を与えていますか。
「最初は高校のためでしたが、今では町内の民間企業や役場も賛同し、夏になるとみんなが同じロゴ入りの黒いポロシャツを着て『ワンチーム遠軽』として活動しています。なぜそこまで頑張るのかと聞かれますが、地域愛や北海道愛が強すぎて、何かを変えたい、盛り上げたいという気持ちが抑えられないのです」
建設業が支える、オホーツクの持続可能な未来
――今後の展望について、どのように描いていますか。
「人口減少は避けられませんが、オホーツクは一次産業が非常に強い地域です。食に求められる役割は今後も絶対に続きます。そして、その畑や港、山や川といったインフラを整備し、維持していくのが建設業の役割です。一次産業がある限り、建設業は不可欠です。私たちの役割は、これからも増え続けると確信しています」
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