【ワイン発祥の地と連携強化】余市町がジョージアと覚書締結 8000年の伝統製法で進む"ワイン外交"_特産品の販路開拓や交流拡大など経済、文化両面で連携強化を(北海道 余市町)
北海道・余市町がワイン発祥の地とされる旧ソ連のジョージア東部グルジャーニ市と友好交流と協力に関する覚書を締結しました。
8000年の伝統的な醸造技術を取り込み、ワインを軸に、経済と文化の両面で連携を深める狙いがあります。
直線距離で約7000キロ離れた2つの地域を結びつけたのは「ワイン」でした。
余市町はワイン産地としてのブランド確立を目指し、「グローバル・ニッチ外交」を掲げて海外との関係づくりを進めてきました。
町はこれまで、フランスのジュヴレ=シャンベルタン村との友好都市協定の締結を発表しています。
一方、ジョージア東部グルジャーニ市では、約8000年の歴史を持つ「クヴェヴリ」と呼ばれる伝統製法でワインを醸造しています。
土に埋めた甕(かめ)の中で、ブドウの果実や皮、茎などを一体で発酵させます。
外部の温度管理に頼らず、自然環境の中で発酵と熟成が進むのが特徴で、独特の風味を生むとされています。
2026年2月、余市産のブドウをクヴェヴリで醸造したワインの試飲がおこなわれました。
ジョージア産と比較して品質や味わいの方向性に共通点があることが確認されたといいます。
これを受け、余市町の斉藤啓輔町長は3月28日、グルジャーニ市を訪問して覚書に署名しました。
余市町によりますと今後は、グルジャーニ市で毎年秋に開催されるワインフェスティバルに余市ワインを出展するほか、水産物を含む特産品のマーケティング、食文化や若い世代の人的交流などを進める方針です。
調印式で斉藤町長は「8000年の歴史を持つ醸造技術と余市の条件を組み合わせることで新たな価値につながる」と述べました。
これに対してグルジャーニ市のギオルギ・マチャバリアニ市長は「余市町の提案を歓迎する。ポテンシャルの高さを強く感じている」と応じ、連携に前向きな姿勢を示しました。
今回の合意は行政主導で進められた一方、ジョージアを拠点に活動するピアニスト碓井俊樹氏の仲介など民間レベルのつながりも後押ししました。
日本と海外の自治体の連携自体は珍しくありません。
人口減少や地域経済の縮小を背景に、自治体独自の強みを軸に海外との関係を広げ、特産品の販路開拓や交流拡大は戦略の一環といえます。
余市町が掲げる専門分野に特化して海外と結びつく「グローバル・ニッチ外交」が実際に地域経済の底上げにつながるか、今後、具体的な成果が問われています。



















