冬の学校祭「R-EXPO」で響いた“世界を魅了した音色”――国際ピアノコンクール1位の中3・麻生紗耶香さんが語る表現への探求
江別市の立命館慶祥中学校・高等学校の冬の学園祭「R-EXPO」が今月、札幌コンベンションセンターで開催されました。テーマは「知と文化の祭典」です。多彩なプログラムが展開されるなか、2025年にイタリアで開催された国際ピアノコンクール「5th Amadeus Competition」で第1位に輝いた中学3年生の麻生紗耶香さんが、ソロ演奏とバイオリンとの二重奏を披露し、会場は豊かな音色と表現に包まれました。
「R-EXPO」は、今年初めて企画された新しい形の学校祭です。夏の学校祭が学年・クラス単位の発表を中心とする一方、今回は個人の活動に焦点を当て、発表の場をより多く設けました。菊地賢司校長は「学業や部活動以外でも輝ける個性があふれています。ものさしが一つではない。今回はぜひそこに焦点を当てたかった」と述べました。
麻生さんがピアノを始めたのは4歳のときです。最初は教養として始め、習い事として続けていたといいます。転機となったのは中学1年生ごろでした。「音楽で、自分がやりたい表現ができる」と気づいたことが、演奏への向き合い方を大きく変えました。中学2年生のときにはアメリカのコンクールで金賞を受賞し、ニューヨークのカーネギーホールで演奏を経験。さらに中学3年生で、イタリアの国際コンクールで第1位を獲得しました。
海外での経験について麻生さんは、「日本では得られない刺激がある」と語ります。帰国後は、演奏スタイルや体の使い方が変化していると感じることもあるそうです。また日本では「気持ちを抑える」演奏が多いと捉える一方、海外では、「実力に関係なく、気持ちが前に出て自信を感じさせる」演奏に触れる機会が多いといいます。そうした違いが、自身の変化にもつながっていると語りました。
一方で、1位という結果を得たことで「自分の演奏に対する責任のようなものを感じるようになった」とも語ります。ただ、「結果を重視するのではなく、より良い演奏を求めるようになった」と意識の変化を冷静に分析しました。
麻生さんは現在、毎日3~4時間ピアノの練習をしているといいます。これまで大変だった時期を尋ねると、「ピアノが嫌だと思ったことはない」としつつ、「中学受験の1か月前までコンクールに出ていて大変だった」と振り返りました。中学入学後は練習時間を決め、2~3時間集中して学習の質を高めることを心掛けているそうです。高校進学後は、学習に充てる時間も増やす予定だといいます。
この日のソロ演奏では、ショパンの「バラード第1番」と、リストの「ラ・カンパネラ」を披露。「物語性や表現の奥深さが好き」と語る2曲を、繊細さと迫力を併せ持つ演奏で聴かせました。
麻生さんが考える「良い演奏」とは、「より洗練された表現や個性が出ている演奏」。作曲家が何を求めたのかを探りながら、自分の音楽として融合させることを大切にしているといいます。「譜読みの段階ではそこまで考えられないけど、1~2週間くらい経つと表現を考える余裕が出て、より良い表現を追求するようになる」と話し、「今日の2曲はそれができた」と手応えを口にしました。
4月からは立命館慶祥高校に進学。今後の目標を尋ねると、「洗練された表現力を身につけること」と、変わらぬ探求心を語りました。好きな作曲家は、ショパンとモーリス・ラヴェル。麻生さんのさらなる成長に期待が高まります。

















