【変わる刑務所】密着で見えた“挑戦”と“模索”の毎日「 拘禁刑」導入で “懲らしめ”から“更生”の場所へ―社会復帰を見据えた「動機付け」による取り組み<北海道・札幌刑務所>
さらに製品の依頼があった企業との連絡や、材料の確保もしなければなりません。
「(材料の)発注は私たちがしなければいけないので、今後足りなくなるなど予測したうえで発注している」(作業専門官)
作業専門官は刑務所の職員の中でも、資格が必要な特殊な仕事です。
作業を通じて受刑者が成長したとき、喜びを感じます。
「お客さんから製品を褒められたことを(受刑者に)伝えた時に、いつも不愛想な受刑者が笑みを浮かべる。それを目の当たりにすると作業の意味を感じる」(革工場担当の作業専門官)
この道23年の専門官は、更生を意識しながら受刑者と接しています。
「受刑者に対し親しみを持って接するけど、決してなれ合いになってはいけない。彼らも1人の人間であるいうことを知覚しなければならない。改善・更生や社会復帰に向けて刑務作業は彼らにとって非常に有益なものになっている」(ベテランの作業専門官)
刑務所での取り組みも、受刑者の懲らしめから更生を目指すものへと変わっていきます。
作業の班長を務める受刑者。
刑務所の雰囲気にも変化が出てきたと感じています。
「昔はひどかったですよ、おいだとかお前だとか、兵隊さんみたいな歩き方も今はなくなった」(受刑者の班長)
いずれ戻る社会でどう生きていくのか。
「途中で投げ出さないとか気持ちの訓練だと思う、社会に復帰するための手助けかな」(革工場担当の作業専門官)
刑務所が変わりゆく中でも変わらない、挑戦と模索の毎日が続いています。

























