【スルメイカ休漁問題】「目の前にいるのに取りに行けない!死活問題だ」大泉函館市長や漁協組合から悲痛の声『漁獲枠拡大を』水産庁へ求める_価格は安定も“活イカ"ブランドへの影響を懸念〈北海道〉
漁獲枠を超過したことで、北海道内で小型船でのスルメイカ漁が休漁となっている問題を受け、函館市の大泉市長らが10月30日、水産庁に漁再開を要望しました。
「これから勝負の時期に(漁の)停止がかかった。組合も業者も大変苦慮しているので検討いただきたい」(函館市漁業協同組合 滝川久市代表理事組合長)
「もともと留保枠を持っているので、どれくらい融通できるか。採捕停止命令を解除できるかは申し上げられる状況にない」(水産庁 藤田仁司長官)
10月30日午前、水産庁長官室を訪れた函館市の大泉市長らは、漁獲枠の拡大などを求める要望書を手渡しました。
小型船でのスルメイカ漁をめぐっては、水産庁の定めた漁獲枠をすでに上回っていて、イカ釣り漁船の漁師らでつくる「北海道いか釣漁業協会」は、22日から休漁を決めています。
「目の前にいるその魚を取りに行くことができないということが、いかに納得できないかということについて、強く申し上げてきた」(函館市 大泉潤市長)
近年、不漁が続いていた函館のスルメイカ漁。
2025年は9月に入り、苫小牧沖などの太平洋側で漁が好調で、市場での取扱量が約230トンと回復の兆しを見せていました。
しかし函館周辺はそこまで勢いはなく、2025年度の函館市漁協の漁獲量は10月17日時点で約87トンにとどまっています。
運送、加工業などすそ野が広いイカの町にとっては死活問題で、枠の拡大を求めたことに地元の漁師は。
「気持ちとしてはありがたい気持ちでいっぱい。11月5日にかかっている、それまでは待つしかない」(イカ漁師)
休漁になった今、函館市の鮮魚店では釣ったイカの入荷はなく、定置網でとれたイカを仕入れています。
一匹あたり約500円で、価格は安定しているといいますが。
「網イカだと釣りイカと違って、身の質が若干やわらかい。甘味があっていいが、慣れていないお客さんもいる。函館ではパリパリした触感の新鮮なイカを食べたいから」(紺地鮮魚 紺地慶一さん)
値段への影響は少ないながら、活イカのブランドへのダメージは避けられそうにありません。
水産庁は10月31日にも採捕停止命令を出す方針で、11月5日には水産政策審議会で改めて議論される予定です。






















