【札幌に第2の児童相談所】詩梨ちゃんの衰弱死を背景に「急ピッチで施設をつくらなければならなかった」”北海道初”捜査関係者らがモニターで聴取を確認_求められる関係機関との密な連携
人口約196万人の札幌市。このうち10人に1人が18歳未満ですが、市内にはこれまでたった一つしか児童相談所がありませんでした。
22日、市内で2つ目となる施設が白石区に誕生しました。「札幌市東部児童相談所」です。
東部児童相談所が担当するのは豊平区、白石区、厚別区、清田区です。この4区で起きた問題を把握し、子供やその家族を支援します。
「虐待の通報も市民の意識が高まって(通報)してくれた。駆けつけるのに時間がかかっていたが今後はスムーズに対応できる」(東部児童相談所 森岡祥広家庭支援課長)
施設には36人の子供を保護することができる「一時保護所」が設けられました。
職員が子供や親と話をする面談室は10部屋です。
「おやこ支援ルーム」はマジックミラー越しに子供と親がどうしているか分かります。
カメラで記録することで子供への事情聴取を繰り返さず、子供の負担を減らすことができます。
福祉施設としては北海道で初めて導入されました。
無理やり子供を連れ帰ろうとする親との接触を避けるため、セキュリティも完備されています。
「2019年に女子児童が亡くなった痛ましい事故があった。急ピッチで(施設を)つくらなければならなかった」(森岡課長)
2019年6月、札幌市で当時2歳だった池田詩梨ちゃんが衰弱死しました。
詩梨ちゃんは母親や交際相手の男から暴行などを受けていて、体にはやけどの痕やあざなどが残されていました。
事件を機に札幌市では児童虐待の相談が急増し、この年以降毎年2000件を超えています。
「(事故防止のために)もう少しいろんな方面からつながることができたんじゃないか。孤立させないことが大切」(保育園ペンタゴン 三箇智子主任保育士)
札幌市でも数少ない24時間保育を行っている「保育園ペンタゴン」です。
「児童福祉司だったりとか専門職の不足はやっぱりある」
「職員側も育っていく必要があると思うので保育園でも研修をして職員を育てている」(いずれも三箇主任保育士)
東部児童相談所のスタッフは約120人。
保育施設や学校、警察などの関係機関と迅速で密な連携が求められています。