【釧路湿原メガソーラー問題】新展開!釧路市議会で条例案が可決“設置を許可制に”…市民からは「賛成」や「遅い」の声…専門家からは地方自治体での規制に限界の指摘も「法律で取り締まりを」
タンチョウやオジロワシなど5種の希少生物が生息する可能性が高いエリアを「特別保全区域」と定め、事業者に生息調査や保全計画の作成を義務づけます。
命令に従わない場合は建設を許可せず、事業者名を公表するなどとしています。
条例は10月1日に施行され、2026年以降に着工する事業に適用されます。
資源エネルギー庁によりますと、釧路市内で出力1000キロワットを超えるメガソーラーは、2025年3月末の時点で25件設置されています。
2017年6月末には8件でした。
今回の条例の制定について釧路市民は。
「賛成です。タンチョウなどいろいろな生物が、工事などで少なくなっていくのはちょっと。釧路の財産ですから」
「遅いと思います。ラムサール条約を決めた時点で考えられなかったのか」(いずれも釧路市民)
釧路市の隣まちの鶴居村でも、メガソーラーを巡る動きが。
タンチョウの撮影スポット周辺の民有地約7.5ヘクタールを村が購入する方針を固め、土地の所有者と価格交渉などを進めています。
周辺で一時メガソーラーの建設計画が持ち上がったことから、景観保持を目的としたものです。
村は「法的拘束力のない既存の条例などで対応するのは難しい」としています。
条例の制定や土地購入などの地方自治体の動きについて、環境保全に詳しい専門家は。
「市町村単位で規制しようと、条例を制定するのは大変なこと。行き過ぎた国土開発をチェックするには法律で取り締まり、悪徳業者が出ないようにすべき」(山梨大学 鈴木猛康名誉教授)
国レベルでの規制が必要だというのです。
政府のエネルギー基本計画では太陽光発電を推進する方針が示されています。
「現実問題としてエネルギー計画自体を見直す時期にある。いろいろな地域で疲弊が起きていることに、目をつぶってはいけない」(鈴木名誉教授)
無秩序な開発に歯止めをかけ、貴重な生態系を守っていくことができるのか。
環境との調和のあり方が、いま問われています。