【食中毒】弁当食べた144人が“腸炎ビブリオ”に感染 60代男性が死亡も因果関係は不明…かつては猛威を振るうも北海道では去年まで8年連続で感染者ゼロ 法改正で基準強化の結果
144人が腸炎ビブリオによる食中毒
8月25日、北海道旭川市の宅配弁当専門店の弁当を食べた13歳から81歳までの144人が下痢や嘔吐などを訴え、旭川市保健所は腸炎ビブリオによる食中毒と判断しました。
このうち60代の男性が死亡しましたが、食中毒との因果関係は分かっていません。
北海道の腸炎ビブリオの感染者は1999年には86件1490人と猛威を振るいましたが、ここ10年では2015年に1件172人、2016年に2件2人と激減しています。
その大きな理由は、2001年に食品衛生法が一部改正されたことです。
腸炎ビブリオによる食中毒の原因となりやすい生食用の魚介類などの取り扱いについて、10℃以下で保存するなどの新たな基準が設けられたのです。
これにより腸炎ビブリオによる食中毒は激減しました。
しかし、今回144人の集団食中毒が発生しました。
専門家に聞く― 「腸炎ビブリオ」とは?
144人が発症した集団食中毒。
「腸炎ビブリオ」とはどんなものなのしょうか?
腸炎ビブリオとは…。
・海水に生息する細菌で魚介類を介して感染
・症状は腹痛、下痢、嘔吐など
どのように感染し、どのような症状が現れるのでしょうか?
自身も感染の経験がある、北海道医療大学の塚本容子教授にお聞きしました。
「タイに行った際、ムール貝の酒蒸しを食べて12時間ほど後、激しい腹痛や下痢。嘔吐はなかったが発熱はあった。症状は3日間続き、表現できないような腹部の痛み」(北海道医療大学 塚本容子教授)
今回の旭川市の集団食中毒は…。
・8月25日に宅配弁当専門店の「魚の揚げ物」や「ザンギ弁当」を692人が食べる
・27日に保健所に連絡 144人が下痢や腹痛。うち1人が因果関係は不明だが死亡
腸炎ビブリオによる食中毒を防ぐには、どんな点に注意したらいいのでしょうか?
・こまめな手洗い
・まな板などの調理器具をこまめに洗う
・食材は直前まで冷蔵庫に
感染してしまったら、どうしたらいいのでしょう?
・通常は数日で回復
・自分の判断で下痢止めを服用しない
・脱水症状にならないよう水分の補給を
食中毒は夏だけではありません。ご注意を。