【真夏の災害避難の課題】公立小中学校の体育館など避難所の冷房設置率は「3.8%」全国平均の「23.7%」を大きく下回る…避難中に屋外や車にいた高齢者2人が熱中症で搬送〈北海道〉
最高気温が27.2℃と平年より3℃も高くなった北海道胆振地方のむかわ町。
約300人が消防庁舎の屋上などに避難したほか、炎天下の屋外では避難した人が日陰で暑さをしのぐ様子も見られました。
北海道によりますと、北海道内では7月30日に約3万5000人が避難しましたが、避難中に屋外や車の中にいた高齢者2人が熱中症で搬送されました。
近年は北海道でも記録的猛暑が続いているだけに、十分な注意が必要だと災害看護学の専門家は話します。
「熊本地震の時だと通常の5倍脱水の方が(病院の救急外来に)来たという報告がある。熱中症予防のために飲み水、暑いと体温がどんどん上がってくるので体を冷やすものが必要」(札幌市立大学看護学部 鬼塚美玲准教授)
熱中症リスクのほかにも、今回の災害では課題が浮き彫りとなりました。
釧路では備蓄品として用意していた水のペットボトルをめぐり、こんな反省点も…
「紙コップを用意しないと水を配れないのに、紙コップの数が限られていて。訓練ではわからなかった」(道財務局釧路財務事務所 園部昌弘総務課長)
今後、対策を見直したいとしています。
一方、北海道北広島市のホームセンターでは…
「入り口を入った所に防災用品のコーナーがあります」(狐野彩人アナウンサー)
防災リュックに食料、水などが並ぶ特設コーナーは7月30日、急きょ設置されました。
また、避難時に熱中症にならないために身体を冷やすアイテムも準備しておくと役立つと担当者は呼びかけます。
「たたくと冷えるものや首にあてるタイプのもの。避難所で熱中症対策はなかなか難しい。個人で持っていくのも大事」(ジョイフルエーケー大曲店 中澤慎二郎副店長)
災害時の暑さへの備えと対策の見直しが改めて求められています。