【十勝岳噴火から来年で100年】三浦綾子さん著『泥流地帯』映画化へ…度重なる挫折の中、災害と復興の歴史を描く人気小説の映画化を目指す人々の想い「上富良野の歴史をつないでいけたら」北海道
災害の歴史をどうやって後世につないでいくか。
8年前から映画化に取り組み、2025年ようやく監督や配給会社が決まりました。
「復興したという歴史的な偉業を伝えたいというのが一つ。人力で取り組んだという上富良野の歴史を伝えていかなければならない」(浦島さん)
不屈の精神で復興を成し遂げた歴史とは。
十勝岳が噴火した日、上富良野町で噴火の歴史を伝えるイベントが開かれました。
「実は私の直属の父親の兄弟の長男一家が9人流されています」(環境ボランティア野山人 佐川泰正さん)
先祖22人が泥流の犠牲となった佐川泰正さんは、噴火を風化させないために歴史を語り継ぐ活動をしています。
佐川さんは苦難の歴史を確認するため、2メートルにも及ぶ穴を掘りました。
「ここからこの流木のあるこの辺まで。一気に流れてきた泥流層です。その後ですね砂利層の上の方。流木の上くらいまでですか。それが復興の客土によって作られた地層ですね」(佐川さん)
一瞬のうちに泥の海となった畑や田んぼ。
3年前から、浦島さんと映画化を進めてきた大道さんは矢面に立たされた浦島さんをそばで見てきました。
「誰かに説明しに行かなきゃならないとか(中止しろと)言われたとかそういう時にはやっぱりキュッと小刻みに震えている姿は何度も見てますけど」(上富良野町 大道千アキさん)
「すいませんっていう気持ちは当然いっつも持ってますよ。本当ね、俺が上手くやっていれば。すごく大きな試練に立たされた100年前の人が、人力で災害から復興しますよって諦めない気持ちを表した作品なので、それを映画にする事業が、1回や2回や3回や4回の挫折で諦めるっていう理由には、ならないですよね。とにかくそれを伝えていきたい」
「ぜひこの映画…企業の皆さまとぜひ」(共に浦島さん)
「失礼いたします、ありがとうございました」
「町民のみなさまが…地域に誇りを持って『泥流地帯』という作品が読み継がれて上富良野の歴史がつないでいけたら、それだけで報いになります」(浦島さん)
上富良野の誇りを映画にのせて全国へ。
災害から100年となる2026年のクランクインを目指し、浦島さんの挑戦は続きます。