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【YOSAKOIソーラン祭り】白扇子に託す夢―枝幸町「夢想漣えさし」大賞5回受賞の人気チームの挑戦と絆―夢・想い・今、動き出そう!!

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札幌支部運営リーダーの真鍋幸貴さん(右)、釣部加奈恵さん(左)

札幌支部運営リーダーの真鍋幸貴さん(右)、釣部加奈恵さん(左)

 枝幸町(えさしちょう)という小さな港町から、全国、そして世界へ――。力強く、しなやかに舞う踊りで観客を魅了し続けるYOSAKOIチーム「夢想漣えさし」。単なる踊りの枠を超えた“物語”を紡いでいます。彼らの挑戦と、そこに込められた熱い想いとは―。


 1996年、札幌でのYOSAKOIソーラン祭りに魅せられた石岡武美氏が、「これだったら枝幸町も全国に発信できる」と決意したことから、夢想漣えさしの歴史は動き出しました。翌1997年には80名で初出場を果たし、その後も町民の支えと情熱によって支えられ、YOSAKOIソーラン大賞を5回受賞する人気チームへと成長しました。

白扇子に込められた演舞の美学

夢想漣えさし 演舞の様子(2024年)

夢想漣えさし 演舞の様子(2024年)

 2025年のテーマについて、チーム代表の工藤尊子さんは「毎年、漁師の生き様とその家族を題材にしている」と語ります。その演出には“動と静”の緩急が際立ち、「今年は出漁から港に戻るまでを描く演舞となっていて、衣装も“大漁旗”に見立てて造りました」と話します。


 振付の中で特に注目してほしいのが、荒波とかもめを連想できるように動きにこだわった、一糸乱れぬ白扇子です。「白扇子と言えば夢想漣」と称されるほど代名詞的な存在であり、全員の面の角度が揃っていないと全体に迫力が出ないといいます。そのため、日々の厳しい練習とメンバーの熱い想いが白扇子に託されています。

 メンバーの年齢層も幅広く、下は15歳から上は60歳まで。個性豊かなメンバーがチームを支えています。「今年は枝幸町から帆立漁師の方も参加します。仕事と踊りの練習の両立が難しいけど、ものすごくがんばってくれています」と語る代表の笑顔に、チームの未来への希望がにじみます。

地域と共に生きるー枝幸町とチームの絆

過去YOSAKOIソーラン大賞を5回受賞(写真は2018年)

過去YOSAKOIソーラン大賞を5回受賞(写真は2018年)

 夢想漣えさしの強さの源は、地域との深い絆にあります。枝幸町の企業や住民が衣装製作や遠征費の支援を行い、演舞のたびに「地元の代表」として誇りを持って送り出してくれるのです。「町のために踊る」と語る代表の言葉からも、その結びつきの強さが伝わってきます。


 「活動自体が枝幸町の町民と企業や役場など、枝幸町ぐるみで支援してもらっているので活動が続けられています。よさこいのチームはたくさんありますが、これほど町民や企業が支援をしてくれるチームは多くないので、本当に恵まれていると思います」と話します。

 また、町がホタテやカニを無償で提供してくれることで、道外遠征時にカニ汁やホタテ焼きを販売し、その利益を活動費に充てていると言います。さらに、「枝幸町観光協会のイベントブースでメンバーが手伝うなど、良い関係を築けています」語りました。


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