政府が備蓄米21万トン放出を正式発表 早ければ3月にも店頭へ 高騰続くコメ価格の行方は…小売店は効果に懐疑的 消費者は「政府の対策は後手後手」 江藤農水相「批判は甘んじて受け止める」
「販売数量は21万トン、流通が滞っている状況を改善したい。3月の半ばに備蓄米の引き渡しを開始する」(江藤 拓 農水相)
江藤農水相は政府の備蓄米を21万トン放出すると公表しました。初回は15万トンとし、残りは流通の状況を見て決めるということです。
備蓄米は100万トン程度を目安に全国各地に保管されているもので、放出は凶作や災害時に限られてきました。今回のように、流通の円滑化のために実施するのは初めてとなります。
農水省によりますと、5キロあたりのコメの販売価格は2024年2月に2000円ほどだったものが、新米の時期には3100円ほどに上昇。2025年に入り3688円と、24年の1.8倍の高値になっています。
「何でもっと早く決断できなかったんだという批判は、甘んじて受け止めます。考えているのは流通の改善ですから、上昇した価格が落ち着くことは当然期待しています」(江藤農水相)
今回の備蓄米の放出で、コメの価格は安定するのでしょうか。スーパーを訪れた消費者は。
「コメが高い。どこかでためているのがなくなれば、少しずつでも」
「政府は対策が後手後手にまわってると思う」(ともに買い物客)
札幌市豊平区のスーパー「キテネ食品館 月寒店」では、仕入れ値の高騰に頭を悩ませています。卸売業者からはこんな提示も。
「3月の入荷分からは値上げという業者もある。備蓄米を放出するのは、店頭からコメが消えるのを防ぐことが第一と聞いてる。備蓄米を放出したからといって値段が暴落したり、急激に下がったりすることはないと感じている」(キテネ食品館 中塚 誠 社長)
放出された備蓄米は、早ければ3月中にも店頭に並ぶとみられています。
コメの価格はどうなるのでしょうか。