<ススキノ首切断事件>『両親しか世界の窓口がない。(通報は)絶望につながる』通報しなかった理由を父・田村修被告が語る『信頼していた医師が倒れ…』通院を断念した理由も…まもなく9回目裁判―北海道
■『信頼していた医師が倒れ…』通院を断念した理由明かす
北海道札幌市・ススキノのホテルで男性が殺害され、親子3人が逮捕された事件。
父親・田村修被告の第9回裁判員裁判が2月6日午前11時から開かれ、被告人質問が行われる予定です。
この事件は2023年7月、ススキノのホテルで男性を殺害後、首を切断し頭部を持ち去ったとして、田村瑠奈被告が殺人などの罪で、両親が殺人や死体遺棄などを手助けした罪で逮捕・起訴されたものです。
被告人質問では2月4日、瑠奈被告が医療機関に通うのを断念した理由についても明らかにされました。
「瑠奈被告は23歳から26歳までクリニックに通っていたが、その後通院をやめたのはなぜか?」(弁護側)
「理由は三つある。一つ目は、信頼していた先生が倒れてしまった」
「二つ目は、コロナ禍で初診の予約が取りづらかった。取れても何カ月も先になることもあった」
「三つ目は、夜中に本人が『つらいから病院に連れてってほしい』ということがあったが、行くところがなかった。瑠奈と波長が合う良い先生との巡り合わせがなかった」(いずれも修被告)
■『両親しか世界の窓口がない。(通報は)絶望につながる』通報しなかった理由を父・田村修被告が語る
修被告は通報しなかった理由について、次のように証言しました。
「(瑠奈被告が)早く逮捕されたほうがいいのか、それとも一日でも長く一緒にいたいと思っていたのか?」(弁護側)
「警察には早く来てもらったほうが食い止められるので、早く来てほしいと思っていた」(修被告)
「それならば、なぜ通報しなかったのか?」(弁護側)
「瑠奈にとって、私と浩子は身内で、2人しか世界の窓口がない。残された世界の窓口だった。親が突き出したことが本人にとって絶望につながると思った。ご遺族にとっては申し訳ないのですが、親としてはできませんでした」(修被告)
殺人などの罪で起訴されている瑠奈被告は現在、精神鑑定中で、公判の見通しは立っていません。