北海道の住宅「屋根の雪下ろしは必要ない」専門家が警鐘…今シーズンの転落事故の死者は昨年より3人多い5人“積雪の荷重”札幌では140センチ・豪雪地帯の岩見沢市でも160センチの雪までは耐えられる
北海道では、1月25日、26日と雪下ろしの事故が相次ぎました。専門家は北海道の住宅では「屋根の雪下ろしは必要ない」と警鐘を鳴らしています。
北海道では、1月中旬からこの時期としては暖かい日が続き、札幌市は、1月27日の最高気温が4度で、9日連続でプラスの気温に。
そんな中、25日、札幌市南区の住宅では、屋根の雪下ろしをしていたとみられる94歳の男性が死亡しました。男性は命綱をしていましたが、地上から約4メートルの高さで、命綱が胸に絡まり、宙づり状態で見つかったということです。
雪下ろし中の事故は、新十津川町でも。
26日、73歳の男性が車庫の屋根の雪下ろしをしていたところ、誤って地面に転落し、両足骨折の疑いで病院に搬送されました。
北海道警によりますと、今シーズン、屋根からの転落による事故は31件発生。事故の件数は昨シーズンとほぼ同じペースですが、死者の数は5人と、昨シーズンより3人多くなっています。
こうした状況に、屋根にかかる雪の重さなどを研究している専門家は…。
「雪下ろしは全く必要ないと思います。屋根に上がっても大丈夫だよ、という安全装置的なものは一切ない。絶対屋根にはあがらないでください」(北海道科学大学工学部建築学科 千葉隆弘教授)
千葉教授によりますと、北海道の住宅は雪下ろしをしないでもいいように設計されています。
さらに、市町村ごとに建物にかかる積雪の荷重を定めていて、札幌市では140センチ、豪雪地帯の岩見沢市でも160センチの雪までは耐えられるといいます。
「不安な気持ちになるのはわかるが、それで命を落とすケースが出てきている。落とさない・手をつけない方向で考えていただきたい」(千葉教授)