周期説通り?【大発生の兆し】“マイマイガの幼虫”公園の遊具にウヨウヨ…壁に産みつけられた卵ふか―毒で皮膚かぶれる恐れも<北海道>
皮膚炎を引き起こす毒をもつ「マイマイガ」の幼虫。ことしは北海道各地で大発生の兆候が――。
北海道北部の上川町の公園。遊具を見てみるとマイマイガの幼虫と思われる虫が大量に発生している。
町内で20年ほど暮らしている住民も、ここまで大発生したのは初めてだという。
「朝ほうきではいたり、つぶしたりしたけどあまりの多さに…薬剤をまかなければ」
「気持ち悪いという話ばかり聞く。小さい幼虫はいたるところで見る」(いずれも上川町民)
皮膚炎を引き起こす毒をもつマイマイガの幼虫。
7月上旬にかけて脱皮を繰り返し成長し、7月下旬からは成虫に。
2009年には十勝の本別町で大発生し、住民生活に大きな影響をもたらした。
上川町では、5月中旬ごろからマイマイガの卵の目撃情報が相次いでいて、役場庁舎でもふかの時期を迎えていた。
「今まさに卵塊からふかして出てきた幼虫です。小さくて非常に見づらいです」(上川町税務住民課 畠山直樹さん)
上川町では5月から駆除作業をしているが、職員の畠山さんは作業の中で幼虫の毛に触れて皮膚がかぶれてしまった。
町は住民自身でも対策ができるよう、殺虫剤の噴霧器を無料で貸し出している。
「これから相談も増えてくると思いますので(適宜)アドバイスしていきたい」(畠山さん)
取材を終えたスタッフが帰ろうとすると車に糸のようなものが。
「ああ!おそらくマイマイガではないかなという感じですね」(畠山さん)
マイマイガの幼虫はふか直後に糸を吐いてぶら下がり、風に乗って移動する。糸を見かけたら近くに幼虫がいる可能性があるので、注意が必要だ。
専門家によると、マイマイガは約10年周期で大発生すると考えられていて、2010年ごろには上川や日高で大発生が確認されている。いまの状況は…。
「2024年から空知、上川、留萌では(マイマイガが)多く見られている。大発生が起きているというよりはこれから大発生が起きそうな状態」(道総研林業試験場 内田葉子さん)
大発生を防ぐためには、幼虫のうちに殺虫剤をかけたりはしや火ばさみなどでつまんで駆除すること。いまが肝心。
「一度脱皮すると毒の毛はなくなるが、鋭い毛が刺さったりするので気を付けてほしい」(内田さん)