【あれから10年】砂川市で飲酒運転の車2台が暴走し家族5人が死傷した事故―「絶望を繰り返さない」と関係者が訴え_しかし飲酒運転の事故は2023年から増加傾向…募る危機感
砂川市で飲酒運転の車が暴走し、一家5人が死傷した事故から、6月6日で10年です。
北海道の飲酒事故はここ2年で再び増加傾向にあり、関係者の間では危機感が広がっています。
飲酒運転の車2台暴走から10年―
砂川市の国道沿いに手向けられた花―。
2015年6月6日夜、砂川市の国道を飲酒運転の車2台が暴走し、永桶弘一さん一家5人が乗った軽ワゴン車に衝突。
永桶さん夫婦と高校生の長女・長男の4人が死亡し、次女が重傷を負いました。
事故の翌年から砂川市では毎年6月6日に、「飲酒運転撲滅集会」が開かれています。
きょうも約230人の市民らが参加し、飲酒運転の危険性などを訴えました。
その中には、永桶さんの長女の担任だった小田島さんも。
「突然、人生を閉ざされた友人の無念を思い、あれから毎年私たち(砂川高校)はこの日がくると飲酒運転撲滅を訴え、国道12号線沿いで、旗の波運動を行ってきました」(亡くなった長女が通っていた砂川高校の元担任 小田島数幸さん)
小田島さんは、家族や友人を突然失うという絶望を繰り返してはいけない…と訴えます。
「同じような悲しみや…苦しみ…というのではなく、絶望…これを繰り返さない」(小田島さん)
後を絶たない飲酒運転
しかし、飲酒運転は、いまだ後を絶ちません。
北海道の飲酒運転による事故は2014年以降減ってきていたものの、2023年から増加に転じています。
こうした状況を受けて、北海道警察は取り締まりを強化。
6月5日夜、千歳市内で約2000台の車を対象に大規模な検問を実施しました。
「夏を迎えて暑くなると飲酒運転する人も出てくるので、徹底して目を光らせたい」(千歳署 笹森慎太郎交通第一課長)
10年前の悲劇を風化させることなく、改めて一人ひとりが飲酒運転の危険性を認識していくことが、今、求められています。