園児が特殊詐欺に「ダメ―!」高校生は顔出しパネルで防犯呼びかけ 小樽警察署と"犯罪防止"対策でコラボ
北海道・小樽警察署の犯罪防止の取り組みに園児や高校生が参加。それぞれが作品をつくり防犯意識を高めることを呼びかけました。
どんな作品が完成したのでしょうか?
「こんにちは、僕だよ、お母さん。お金ちょうだい」
9月、小樽市内の幼稚園で警察官と先生が劇を披露しました。テーマは「オレオレ詐欺」です。
「カードをあげちゃうとおばあさんのお金はどうなっちゃうのかな?」(警察官)
「ダメー!ダメー!」「お金をぬすもうとしてる!」(いずれも園児)
子どもたちは劇に夢中です。劇の後、地域の人たちが詐欺の被害に遭わないようにと絵を描きました。その表情は真剣そのもの。
「(Q:この3人は誰?)この1人はドロボーで、2人が警察」(園児)
小樽警察署によりますと、北海道内では詐欺の被害件数が減少傾向にありますが、小樽では市の職員などをかたる還付金詐欺の予兆電話が相次いでいます。
「子どもたちが描いた作品は親、さらに祖父母にメッセージが届くと思っています」(小樽警察署 川崎太志 生活安全課長)
子どもたちはそれぞれ頭に浮かんだことを色鉛筆を使ってどんどん描いていきます。
どんな絵が完成するのでしょうか?
犯罪を防ごうと作品を作っているのは、幼稚園の子どもたちだけではありません。
「小樽市内のこちらの高校では生徒が授業で顔出しパネルの制作をしています。完成は間近です」(沼田 海征 記者)
授業の一環として、3年生の6人が地域貢献をテーマに活動していて、今回初めて顔出しパネルを作成することになりました。
「一生懸命描いたタイルを見てほしい」「小さい顔と大きい顔があるから親子ではめてくれたらいいな」「インク多いわ。もういいよ。伸ばすから。あああ…」(いずれも高校生)
パネルの出来具合を確認するため土台にはめようとしますが…
「入らない」
「なんで?」
パネルがはまらず、土台をドライバーで固定し直しました。どんなパネルが出来上がるのでしょうか?
会場となったのは商業施設のウイングベイ小樽です。
展示された園児の作品は約80点。特殊詐欺にだまされないようにとのメッセージが込められました。
あの「ドロボーと警察官」の絵もこのように出来上がりました。
高校生の顔出しパネルは10時間以上かけて完成。小樽運河を背景に描き、まるで自分が警察官になったかのような写真を撮ることができます。
また会場では警察官の制服を着た園児や高校生が、買い物客に防犯を呼びかけるチラシやグッズを配りました。
「小さい子が自分の意思で来てくれて、顔はめてくれてすごくうれしかったです」「防犯を呼びかけていて、小さい子からお年寄りの方まで安全に暮らせるようになったらいいな」(いずれも高校生)
犯罪防止の取り組みに参加した園児と高校生たち。作品は10月18日まで展示されています。