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【北海道マラソン2026】不破聖衣来、暑さを味方に初マラソンへ 信じるのは「押していく力」

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 8月30日に行われる北海道マラソン2026で、初マラソンに挑む三井住友海上の不破聖衣来。拓殖大学時代には、10000mで30分45秒21の日本学生記録を樹立した。不破が狙うのはMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)への出場権の獲得だ。その先に見据えるのは、2028年ロサンゼルス五輪。不破は長野県・菅平での合宿中、初マラソンへの準備、真夏のレースへの自信、そして憧れの存在への思いを語った。

故障を乗り越え、マラソンで五輪へ――「走ることが楽しい」

三井住友海上・不破聖衣来選手

 10000mで日本学生記録を持ちながらマラソンを目指した理由について、不破はこう語る。
 「その記録を出した頃は、まずはトラックで五輪に出場することを目標にしていました。その時はパリ五輪出場も目指していましたが、その後にけがが重なってしまって。そうなったときに、練習の強度を考えても、スピードを求める練習より、ある程度スピードは抑えながら距離に対応していくマラソンの方が、けがなく継続して練習できるのかなと思い始めました。それで、トラックというよりはマラソンで勝負したいと思いました。最終的には、マラソンで五輪に出たいという夢がずっとありました。実業団に入って、自分の走りの特徴からしても、トラックよりはロードの長い距離、マラソンで勝負できるのではないかと感じていたので、しっかり挑戦することを決めました」

「練習量には自信」――初マラソンに向けた現在地

40km走など距離走を重ねてきた

――今のコンディションはいかがですか。
 「ここ数か月、ずっとけがなく練習を積めているので、練習の量という部分に関しては、だいぶ自信を持っていいのかなという感じです。ただ、その反面、少し疲労も溜まり始めているところではあります。残りの期間でしっかり調整して、自信を持ってスタートラインに立てるようにしていきたいです」

 学生時代は度重なる故障に苦しんだ。だからこそ、「けがなく積めている」という手応えは、何よりも大きな支えになっている。

――ここまでの練習の手応えは。
 「今まではけがが多くて、距離を走ることに対して『けがをしてしまわないかな』という不安がありました。でも最近は、けがなくしっかり走れるようになってきて、距離を着実に積めています。それはマラソンに向けてすごく自信になりました」

――初マラソンに向けて、距離走も重ねてきました。
 「このマラソンに向けて、初めて40km走を行うなど、距離走を重ねてきました。最初は『走り切れるかな』という不安もありましたが、実際に40km走をしてみて、意外と距離に対応できることを確認できました。本番はまた別だと思いますが、ひとまず40kmをしっかり走れたことは自信になりました」

――予定された練習量に自ら「おかわり」することもある。
 「そもそも、私は走ることが好きなんです。走ることが気分転換になりますし、普通に楽しいです。競技というよりは、趣味のような感覚になっているのかなと思います。記録やタイムを追い求めているときはきついこともありますが、普段のジョギングは楽しく走っています。あんまり走ることはつらくないです」

なぜ北海道なのか――暑さと「押していく力」を生かす戦略

暑さには苦手意識がないと語る

 数ある国内マラソンの中で、なぜ真夏の北海道を初マラソンの舞台に選んだのか。そこには明確な戦略があった。
 「まずはロス五輪出場という目標がありました。そこに向けてMGCの出場権の獲得を考えたときに、監督と相談しました。私の走りの特徴は、スピードというよりも、一定のペースで押していける力です。あとは、他人よりも暑さに苦手意識がないという部分もあります。それだったら、参加標準記録に少し余裕のある夏の北海道マラソンで、確実にMGCを狙うのが一番いいんじゃないかということで、出場を決めました」

 テレビ中継では北海道マラソンを何度も観てきたという不破。この大会の本質も理解している。
 「北海道とはいえ夏なので、気温が高い中でのマラソンになります。気温との勝負というか、その中で自分の力をどう発揮するかが重要な大会だと感じていました」

――暑さへの不安はない?
 「実際は後半の勝負になってくると思います。私は暑さでタイムが落ちるということが練習中でもほとんどありません。マラソンではどうなるか分かりませんが、そこは自信を持って走りたいです。暑熱対策も必須なので、日よけがついた帽子を使ったり、給水も5kmごとに確実に取ったりして、後半もエネルギー不足にならないようにしたいです」

  アイススラリーの摂取も予定している。終盤に待つ長い直線・新川通についても、「特にそういうところで、得意不得意はあまりないので、そこは問題ないかなと思います」と語る。コース全体については「比較的アップダウンもなく、平坦な道が続いているので走りやすいのかな」と受け止めている。

目標は2時間30分、3位以内へ――MGCを懸けたレースプラン

持ち味は押していく力

 大会アンケートに記した目標は「2時間30分、3位以内」。女子のMGC出場権を得るには2時間32分00秒以内で走り、日本人上位3位以内に入る必要がある。
 「タイムとしては、未知な部分があるので何とも言えません。ただ、しっかり自分の力を出し切ることができれば、不可能ではないタイムだと思っています。タイムは確実にクリアしたいです。今回、招待選手が発表されて、すごい選手がたくさんいます。その中でも臆することなくチャレンジしていきたいです」

―― レースプランについて
 「まだ具体的なプランは考えていません。ただ、私の持ち味は押していく力だと思っているので、周りのペース変動に惑わされず、しっかり自分のペースを刻んでいきたいです。1kmを3分30秒ベースでしっかり走っていきたいです」

――新谷仁美選手をはじめ、実力者が並びます。
 「実力のある選手がたくさんいますが、私は初マラソンなので、まずは自分の力をしっかり発揮することを意識して走りたいです」
ライバルは「自分自身」。他の誰かと比べるのではなく、常に自分に勝ち続ける。それが不破のスタンスだ。

憧れの姉、そして世界の舞台へ

座右の銘は「努力に勝る才能なし」

 尊敬する人物を尋ねると、迷いなく一人の名前を挙げた。姉・不破亜莉珠さんだ。
「有名な選手というより、私が陸上を始めたきっかけでもある姉に、ずっと憧れというか、尊敬の気持ちを持っています。今でもずっと姉が憧れの存在です。最近も連絡は途切れることなく取っています」

――初マラソン挑戦を、姉はどう受け止めたのか。
 「いつかはマラソンを走るということは、お互い認識していました。特別なメッセージはないですが、給水ボトルに自分の目印として、姉からの応援メッセージを書いてもらおうと思っています」

 座右の銘は「努力に勝る才能なし」。だからこそ、結果と過程のどちらを重視するかと問われた際の答えにも、故障に苦しんだ日々がにじむ。
 「社会人になって競技を続けている以上、結果が全てという面はありますし、結果を出したい気持ちは一番です。ただ、結果を出すには過程のほうが大事になってくると思うので、難しいですが、結果よりも過程を大事にしたいです。けがの経験や、思うように走れないことが多かったので、練習ができている今の状況は大切な時間だと感じています」

――学生時代から変わったことは。
 「この数年でいろいろ経験をさせていただき、競技者としてだけでなく、人としても成長できたと感じています。社会人になってからは、ただ走ることが好きでやらせてもらっているだけではなく、職業として走っていることも自覚して取り組めていると思います」

勝負めしはホッケ。「より美味しいものが食べられる」

大好きなホッケを手にする不破聖衣羅選手

 オフの日はアニメやYouTubeを見てリラックスする。マイブームは、姉と一緒に楽しむ「推し活」。『ブルーロック』がお気に入りだという。一人でおいしそうな定食屋やカフェを探して出かけることも多い。好きな食べ物は焼き魚。そして勝負めしは、ホッケだ。
 「一番好きなのは焼き魚です。定食系のものが好きで、昔からホッケとか、最近鮭とか。ホッケはレース前に食べることが多いです。遠征先は外食になることが多いので、ホッケがあるお店に入ったりしています」

――最後に、意気込みをお願いします。
 「北海道マラソンではMGC出場権の獲得を一番の目標にして頑張ります。出るからには優勝を目指して、最低でも3位以内を目標にしています」

――日本のマラソン界を背負っていく気持ちは。
 「ずっと変わらず応援してくださっている方がたくさんいることも認識しているので、結果でしっかり見せられたらと思っています。今回が初マラソンですが、ゆくゆくはしっかり日本を背負って世界と戦いたいという気持ちはあります」

 優勝の際には、監督に焼き魚を食べに連れて行ってもらいたいという。一定のペースで押し続ける持ち味を武器に、ロサンゼルスへの第一歩を刻む。

<放送予定>
「カネカスポーツスペシャル北海道マラソン2026」
8月30日(日) 朝8時25分~(UHB・北海道ローカル)
8月30日(日) 朝8時28分~(BSフジ)
<ゲスト・解説>
ハリー杉山(テイクオフ)
増田明美(スポーツジャーナリスト)
渡辺康幸(住友電工陸上競技部監督)




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