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【コンサラボ】”目標はバルセロナ”「ブスケツの次は自分だと本気で思っていました」深井一希独占インタビュー(1)度重なる試練から這い上がり続けた“不屈の男”の足跡をたどる…

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プロキャリアを通じ、膝には5度メスを入れることとなった

 「同じ怪我を繰り返している選手が相手にいることに、運命的なものは感じます」。4度目の手術から255日ぶりの復帰を果たした2023年のルヴァンカップGS第5節vs横浜F・マリノス(H)。前日練習で深井がそう話したのは、同じ試合で301日ぶりのカムバックを遂げることになる宮市亮のことである。

 彼の苦しみの歴史もまた、サッカーファンにとっては説明不要だろう。奇跡的と言えるふたりの同時復帰は、大きな話題を呼ぶこととなった。ラストマッチの交代時、言ってしまえば所縁のない、対戦相手である愛媛FCの選手たちが花道に加わったことも、深井一希が1クラブの範疇をこえた”復活の象徴”であるという証明のひとつと言えるのかもしれない。

 「僕は若い頃に2回、前十字をやったので。もし仮に、もう少し年齢がいってからだったら、ここまで現役を続けることはなかった」。最初の手術を受けたのは、中学1年。原因不明の膝の痛みによるものであった。高校2年にも疲労骨折で膝を手術。そういった過去がありながら、飛び込んだプロの世界に不安はなかったのだろうか。

 -当時、ここまで現役生活を続けられると想像していました?

 「自分が掲げていた目標が、凄く高いところにあったので。それがあったから、ここまで続けてこられたと思います」

「ブスケツの次は自分だと、本気で思っていました」

当時プロ1年目の深井は「U-20W杯・オリンピック、そして海外でプレーしたい」と語っていた

 2008年から2012年まで世界を席巻したペップ・グアルディオラ率いるFCバルセロナ。若き深井一希もまた、”ティキ・タカ”に魅了された1人であった。彼の言う"凄く高い目標"とは、この時期、ラ・リーガ3連覇、UEFAチャンピオンズリーグ2度の優勝を誇ったカタルーニャの名門クラブのことである。

 「当時は何もわからない状態でプロに入った若造で。まずは”コンサドーレを変える”ということに相当な自信を持っていましたし、すぐ違うチームに移籍して、海外に行って、バルセロナに入るという。本当にそんな気持ちでやっていましたね」

 シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ。フットボール史に残る名選手たちで構成されるFCバルセロナの中盤において、彼の憧れの的は世界最高のアンカーと称されたセルヒオ・ブスケツであった。

 のちに、画面上で目を輝かせながら見ていたイニエスタとJリーグの舞台で対戦することはもとより、まさかピッチ上のロールモデルとなり続けたセルヒオ・ブスケツが、自らと同日の2025年9月26日に引退を発表することなど、当時の彼は予想だにしていなかっただろう。

 引退発表の場で、いくつかの質問の締めくくりに、この運命的な事実を告げると、「嬉しいです。僕が1番目標としていた選手なので」と笑みがこぼれた。つくづく深井一希のサッカー人生には奇跡が起こるのだと感じさせられた。




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