【北海道マラソン1995年】有森裕子「自分が生きていることに感謝します」3年ぶりのフルマラソン復活Vでアトランタへの道を開く
1995年の北海道マラソンは、アトランタ五輪の選考レースとして、日本中の注目を集めていた。バルセロナ五輪女子マラソン銀メダリストの有森裕子が、アトランタ五輪を目指して選んだレースが北海道マラソンだった。バルセロナ五輪から3年。かかとの故障もあり、フルマラソンから遠ざかっていた有森に対し、小出義雄監督は目標タイムを2時間40分に設定した。
一方、有森は「2時間35分で走りたい。自分の気持ちにも今までのことにもジャストウインで勝てるように頑張りたい」と語っていた。さらに、「とにかくスタートラインに立てる。そこに行くまでが今回、私の課題だったので、どんな形でも早くスタートラインに立てるのであれば、それは一番うれしいことだと思っています」と、再び走れる喜びを口にした。
レース当日のスタート時は曇り、気温25度、湿度は68%というコンディションだった。小出監督から「スピードはないが、押していけるだろう」と言われた有森は、その言葉を信じて前を向いた。
有森は序盤から女子の先頭を走り、山口衛里、伊藤真貴子、瀬戸口恵美らが続いた。5km、10kmをともに想定以上の17分台で刻むと、15km付近から山口との差を広げ、20kmまでには独走態勢を築いた。
それでも有森のペースは落ちなかった。1992年にオルガ・アペルが記録した大会記録を上回るペースで30kmを通過し、沿道に笑顔を見せた。有森は2時間29分17秒でフィニッシュ。2位の山口に3分30秒の差をつけ、従来の大会記録を1分5秒更新する大会新記録で優勝した。
レース後、母から渡されたひまわりの花束を手にした有森は、「こんなに皆さんに応援していただけるとは思わなかった」と沿道の声援への感謝を語った。そして、「皆さんに感謝するとともに、自分が生きていることに感謝します。ありがとうございました」と涙を見せた。
有森裕子はこのレースをきっかけにアトランタ五輪代表の座をつかみ、本番では銅メダルを獲得。バルセロナ五輪に続く2大会連続のメダル獲得を果たした。
<女子>
1位有森裕子(リクルート)2:29:17
2位山口衛里(天満屋)2:32:47
3位瀬戸口恵美(ベスト電器)2:33:39
4位伊藤真貴子(第一生命)2:37:08
※ゴール実況:神田康秋、インタビュー:土屋恵史








