「1000本素振りも、データ分析も」加藤豪将と谷口雄也が語る日米の練習方法と自信のつくり方――「いろんな人の意見を聞く人こそ一流」
練習に一つの正解があるわけではありません。数を重ねて体に覚えさせるのか、データや感覚を手がかりに動きを細かく見直すのか。トロント・ブルージェイズでアナリストを務める加藤豪将さんが、元北海道日本ハムファイターズの谷口雄也さんのYouTubeチャンネル「谷口きゅんのVideo Podcast」に出演し、野球の練習方法と自信のつくり方について語り合いました。
愛工大名電高校時代の練習を尋ねられた谷口さんは、終日練習の流れを振り返りました。「朝6時に起きます。ランニングします、1時間弱。そこから掃除して飯食って、9時から練習」。チーム全員で取り組む練習が多く、打撃練習も全員で行っていました。個人練習の時間は、それほど多くなかったといいます。
一方、アメリカで育った加藤さんが経験したのは、選手が個々に練習内容を考えるスタイルでした。「アメリカは個人個人の練習で、自由ですよね」と話し、早朝から練習する習慣はなかったと振り返りました。「起きないです、それは起きないです。練習量的には、完全に谷口さんのアップぐらいの練習だと思います。ランニングもしないので。もう自由な感じで」
谷口さんの高校時代には、冬場でも地下足袋を履いてノックを受けたり、バッティング練習をしたりすることがありました。足の指で地面をつかむ感覚を養うためだったといいます。朝からバント練習をし、寒さをしのぐために足踏みをしながら、日が暮れるまで練習する日もありました。個人練習では、一定期間に素振りの数を競い、最も多く振った選手に野球道具が贈られる仕組みもありました。

トロント・ブルージェイズ 加藤豪将さん
加藤さんは、そうした数をこなす練習にも意味があると考えています。「数で自分の体を知るって大事だと思うんですよね」と話し、選手が自分のスイングについて、肘の位置やバットの角度などを細かく言葉にする場面を見てきたといいます。一方で、自分の感覚を頼りにスイングをつくっていく選手もいます。方法は違っても、自分に合ったスイングを見つけるという目的は同じです。
「1000本素振りするとかって意味ないって人も結構出てきてるんですけど、そういうやり方もあるなって、日本に来て思いました。裸足でノック受けるとか、何でやってたかわからないかもしれないですけど、意味があったっていうことだと思います」
谷口さんは、技術のチェックポイントに意識を向けすぎることへの懸念も示しました。バレルゾーンや肘の位置、バットの軌道など、確認することが増えるあまり、「ピッチャーと勝負しないといけない」という本来の目的を忘れてしまうことがあるといいます。
加藤さんは、練習の方法を一つに決めつける必要はないと話します。「数をいっぱいやるのか、数少なくても細かく自分の体が分かるのかっていうのは、結局両方同じところにたどり着くと思うんですよね。正解は両方正解だと思うんですよね」
大切なのは、自分に合った練習方法を見つけ、自信につなげることです。加藤さんは自身の考え方をこう説明しました。
「いろんな自信の作り方ってあると思うんですよね。僕は数というより、自分のテクニックがこうきてたら試合に自信を持って入れる。谷口さんは1000本素振りしたから、俺はきょう絶対打てるって思ってたら、結局同じじゃないですか。なので自分に合ってる方がいいとは思うので、結局、自信をどうやって作れるか」

加藤豪将さん(左)と谷口雄也さん(右)
ファイターズのキャンプに参加した経験も、加藤さんにとって新鮮なものでした。「野球人生23年ですかね、その時は。23年野球やってきて、ほとんど全てやってきたと思ったんですよね。そこから新しいことばかり日本に来て、ファイターズに来て、出てきたので、楽しいしかなかったですね」
戸惑いはなかったかと問われると、「一応やってみようみたいな感じでやってみて、これ面白いなってすごく思いました」と振り返りました。
谷口さんも「何でもまずはやってみるじゃないけど、自分で考え方変えて、狙い変えて。前提としては野球が上手くなりたいというのがあるからこそ、そういう思いで取り組むことができるのはさすがです」と応じました。続けて、「『僕はこういうの向いてないのやらないです』っていう子供も多いんですよね」と明かすと、加藤さんはこう話しました。
「その軸は絶対にあっていいと思うんですね。自分が持っている軸は大切だと思うんですけど、いろんな人の意見を聞く人こそ一流だと思うんですよね。上手い選手ほど、アナリストだったり、後輩だったり、いろんな人の話を聞いて、自分の軸に合ってることを取り入れるのが一流の選手だと思います」









