【日本ハム】伊藤大海、2年越しのリベンジ 上沢直之との「新旧エース対決」を制した魂の116球 レイエス、山縣、そして郡司が繋いだ“勝利への執念”

8回無失点と好投した伊藤大海投手
日本シリーズ出場へ後が無い状況で迎えたクライマックスシリーズ・パ ファイナルステージ第3戦。北海道日本ハムファイターズは、エース伊藤大海をマウンドに送りました。対するホークス先発は上沢直之。新旧エース同士の投げ合いは、注目の一戦となりました。
ファイターズは初回、このファイナルステージで初めて先制点を奪います。1番・水谷瞬がライトへのヒットで出塁し、海野のパスボールと田宮裕涼の進塁打で三塁へ。レイエスが四球を選び一死一、三塁の好機で、4番に座った郡司裕也がフォークボールをライトへ運び、犠牲フライで待望の先制点をもぎ取りました。
先発の伊藤は、初回、2回と先頭打者にヒットを許すも、無失点で切り抜けました。3回も川瀬晃にライト前ヒットを許しますが、後続を冷静に抑え、無失点で序盤のピンチを乗り越えました。

4回ソロホームランを放ったレイエス選手
均衡が破られたのは4回表。「エネルギーたっぷりで、勝つ気満々です」と高いモチベーションで打席に入ったレイエスは、上沢の初球をレフトにソロホームラン。2-0とリードを広げました。さらに清宮幸太郎と山縣秀のヒットで二死一、二塁としますが、水野達稀は見逃し三振に倒れ、追加点とはなりませんでした。
4回裏、伊藤は一死から柳町達に左中間への大飛球を許します。センター五十幡亮汰が懸命に追い付くも、フェンス直撃のツーベースとなり、進塁打で二死三塁のピンチを背負います。しかし、野村勇に対し、4球続けてストレートを投げ込み、最後は空振り三振に仕留めました。マウンド上で見せたガッツポーズにはこの一戦にかけるエースの強い意思が込められていました。

7回ソロホームランを放った山縣秀選手
6回表、このシリーズヒットが無かった郡司が、ショートへの内野安打で出塁。11打席目にして記録した「ヒット」だったが、後続が倒れ得点には至りませんでした。
しかし7回表、ファイターズ打線が再び上沢を捉えます。山縣が上沢の100球目となるカーブを完璧に捉え、レフトスタンドへソロホームラン。3-0とリードを広げました。前日に新庄剛志監督から「力むなよ」とDMをもらったという山縣は、その言葉通りリラックスして打席に入ったと明かしました。
さらにチャンスは続きます。水野がセンターへスリーベースヒットを放つと、二死から田宮、レイエスが四球を選び満塁。ここで上沢はマウンドを降りました。ホークス2番手・木村光に対し、打席には再び郡司。木村のストレートを捉えた打球はセンターへ抜け、走者一掃の3点タイムリー。6-0と、勝利を大きく引き寄せる一打となりました。