【日本ハム】「あと一歩」の先に待っていた残酷な現実――。福島蓮の125球と、託されたマウンドで起きた悲劇

8回1死、柳田に本塁打を浴びた上原健太投手(提供 北海道新聞社)
クライマックスシリーズ・パ ファイナルステージ第2戦。前日の敗戦で2敗となった北海道日本ハムファイターズは、みずほPayPayドーム福岡で福岡ソフトバンクホークスと対峙しました。先発のマウンドには福島蓮。大舞台での初登板で驚くべき投球を披露しました。しかし、125球10奪三振の熱投も、一発のホームランによって勝利を引き寄せることができませんでした。
前日の達孝太に続き、CS初先発となった福島は、初回からそのポテンシャルを遺憾なく発揮しました。一塁へのヒット性の当たりをマルティネスが連続して好捕し、わずか8球で初回を抑えると、2回も11球で三者凡退に仕留めます。3回には海野の大飛球をセンター浅間がジャンプして好捕するなど、守備陣も先発の福島を盛り立てました。
この日初めてヒットを許したのは4回裏、柳町達にレフトフェンス直撃のツーベースを浴びましたが、後続を断ち切りました。6回には柳田の強烈なライナーを石井一成がジャンプしてキャッチするなど、随所に攻守が光りました。そして圧巻は7回。中村、牧原、今宮を三者連続で空振り三振に斬って取りました。ここまでわずか被安打2。CSデビュー戦でソフトバンク打線を沈黙させました。
一方、打線はソフトバンク先発・有原航平を攻め立てるも、決定打を欠く苦しい展開が続きました。初回、万波中正の四球と清宮幸太郎のヒット、盗塁で二死二、三塁のチャンスを作りましたが、5番に入ったマルティネスがサードゴロに倒れ、先制点を奪えませんでした。
4回表は先頭のレイエスがセンター前ヒットで出塁し、マルティネスも連打で続きました。田宮裕涼がバントで送り一死二、三塁と再びチャンスを作りましたが、郡司裕也は三振、続く石井もセンターフライに倒れ、三塁までランナーを進めまながらも無得点に終わりました。
6回表、先頭の清宮がレフトへのヒットで出塁し、一死から二盗を決めてマルティネスが死球、田宮も四球選び、満塁と絶好のチャンスを迎えます。しかし郡司はショートゴロ、石井も三振に倒れ、有原の前に「あと一本」が遠く感じられました。
この2試合、シーズン中よりもさらに徹底して対策されたという郡司は試合後、「いいところに投げ続けられた」とするも「苦手な球を続けるのは鉄則、普通のことではあるので、勝負に負けたなという感じです」と悔しさをにじませました。