【日本ハム】「新庄采配の真骨頂」―森本稀哲コーチが明かす2ランスクイズの決断「万波君にスクイズは無いって思っていてベンチ見たら、えっ!?」

UHB「みんテレ」に生出演したファイターズ森本稀哲コーチ
北海道日本ハムファイターズの森本稀哲外野守備走塁コーチが、UHB北海道文化放送「みんテレ」に生出演し、今季を振り返りました。話題の「2ランスクイズ」について、サインが出た瞬間の戸惑いと確信、そして選手たちの対応力を具体的に語りました。
まずは5月13日のオリックス戦。一死満塁の場面で五十幡亮汰選手がスクイズを敢行し、三塁走者が本塁へ生還。さらに一塁への送球の間に、二塁走者の水野達稀選手も本塁に還り、2点目を奪う「2ランスクイズ」が決まりました。この奇襲は相手守備の意表を突き、作戦を決められたオリックスの選手たちも悔しそうな表情を見せていました。
続いて8月5日の西武戦、一死二、三塁のチャンスで、長打が期待できる万波中正選手がスクイズを敢行。二塁走者の郡司裕也選手にも森本コーチは腕を回して本塁に突入を指示し、再び2ランスクイズを成功させました。

新庄采配の真骨頂
サインが出る瞬間について森本コーチは、「いやーしびれるんですよね。『やりそうな雰囲気だな、状況だな』と思ったその1~2球前にサインが来る。ボス(新庄監督)は、早く仕掛けたいんです。『もう?初球!?』みたいな」と振り返りました。
特に万波がスクイズを決めた場面では、「本当にびっくりしました。万波君ってホームラン打ってほしい、長打を打てる選手。面白いのは調子がちょっと落ちてる時なんですよ。僕もさすがに、『万波くんにスクイズは無い』と思っていて、ベンチ見たら、『えっ!?』2ランスクイズのサイン出てる、出してるって。サイン出すんですけど、さすがに万中も目が『クリっ』となりましたね」と明かしました。
一方で、「でもボスは万波君がバント上手いことを知ってるんです。シーズンでやらないだけで、バントは上手い子。あんな(高い)ボール球をバントできる選手はなかなかいない」と戦術の裏付けにも言及しました。

UHB「みんテレ」に生出演したファイターズ森本稀哲コーチ
大胆な仕掛けに対する率直な胸中も吐露しました。「正直、我々からすると、『いやいやちょっと落ち着いて行きましょうよ。じっくり攻撃していきましょう』みたいになるんだけど、出てるんだもんサインがもう。すぐ出す。これが決まるのが凄いなって。選手たちも凄い」
さらに「選手たちも、『ここはなんかありそうだな』っていうのをみんなが理解してるんで、何かあった時に、そんなに失敗する動きにならない」とチーム全体への浸透を強調しました。
新庄采配については、「でも勉強になりますよね。こういう采配の思いきりとか。自分が采配やれって言われた時には出せない。もしボール球きて失敗した時に、選手にも申し訳ないし、ファンにも申し訳ないので。でもうちのボスは出す」と、その決断力を評価しました。
相手の意表を突く2ランスクイズは、監督の決断と選手の準備、コーチ陣の即応がかみ合って初めて成立します。来季も日本ハムが見せるアグレッシブな仕掛けに注目が集まりそうです。










