バス運転手確保のため “あの手この手” 「家賃半額補助」に「免許取得全額補助」… 貨物運送業界とパイの奪い合い状態に 人手不足が深刻
小樽市では北海道などが主催する、バス会社3社合同の就職説明会が初めて開かれました。
参加者は15人ほど。採用担当者が養成制度や勤務体系などを説明しました。
「今は旅客ではなく貨物の仕事をしている。休みがどうなっているのか、入社後ついていけるのか」(参加者)
「小柄な女性でも働けるのか心配だった」(参加者)
地方のバス会社は季節によって需要が異なり、人材確保が難しいといいます。
後志地方のニセコ町に本社を構える「ニセコバス」では。
「冬に向けて需要が増えるので、さらに乗務員不足の深刻さが増す。過疎地に本社を構えているので、応募者が集まらない状況」(ニセコバス 石島 孝俊さん)
そこで、ニセコバスでは他の地域からの移住を促すための制度を整備しています。住宅の家賃の半額を会社が負担するというものです。
しかし、なかなか定住が進まないのが現実です。
「貨物運送業界と競合している認識はある。パイの奪い合いをしている状況」(石島さん)
運転手不足が進むのは地方だけではありません。
北海道中央バスは12月1日のダイヤ改正で札幌市内の2路線54便を廃止するほか、47路線253便を減便。
12路線283便の札幌市中心部への乗り入れを取りやめ、地下鉄の駅までの路線短縮を行います。
「困るんだよね、向こうまで行かなければならないから。今まで高齢者が乗っていたのに、不便を感じる」(廃止路線の利用者)
廃止される、JR平和駅前から札幌駅前の路線の利用者です。
現在は最寄りの「白石本通17丁目」のバス停を利用していますが、12月からは500mほど離れたジェイ・アール北海道バスの「下白石」のバス停まで歩かなければなりません。
これからの雪の季節、不安だといいます。
「路線がなくなると、あそこまで歩かなくてはならない。困ったよね、われわれにとってはね」(廃止路線の利用者)
11月10日、札幌市の「乗合バス路線維持審査会」が開かれ、赤字路線を維持するため市がバス会社に支出する補助金が、2022年度は約13億500万円になることが承認されました。
2023年度は約12億7000万円を見込んでいます。