深刻な“シカ”による事故や食害…電気柵も乗り越えられる冬 4時間でメス16頭「駆除の最前線」に密着 給食で食育の取り組みも
「とにかく安全に、市民は駆除を求めている」(北海道猟友会 奥田邦博 札幌支部長)
深刻な事態に札幌市も北海道猟友会などと連携し捕獲を進めています。
1月14日、食害に苦しむあの果樹園にも近い札幌市南区で大規模な駆除が行われました。早朝にも関わらず、約90人のハンターが参加しました。
「前日に雪が降り新雪が深い中、山を渡ります」(鎌田祐輔記者)
「おいおいおいおい。雪が腰まであるここ。多分ね、下が笹だわ。ここ笹が辛い」(勢子として参加 石田拓也さん)
シカをグループで駆除する時、役割が分かれています。
声などで音を出しながら追い立てるのが「勢子(せこ)」という役です。
反対に追い立てられたシカを待ち受けて駆除するのが「待ち」という役です。
連携しながら駆除が進められます。
一方、効率よく駆除するためにこんな方法もとられています。
「5連発花火をあげます」(無線)
「花火を鳴らすから、それで位置を確認。後ろだな。さっきの5輪花火。結構後ろの方で聞こえたので、結構早めのペースで降りてきてもいいと思います」(勢子として参加 石田さん)
シカを追い立てる音が出る花火です。お互いの位置を確認しながら安全に駆除を進めます。さらに2023年からはドローンも活用されるようになりました。
「ドローンをよく見ててください。その下に鹿がいるということです」(無線)
シカの居場所を特定し無線で指示を出し、追い込んでいきます。
この日は4時間ほどで16頭のシカを駆除しました。
「歩くのも上るのも大変、降りてくるのも(雪が)深いので大変でした」(勢子として参加 石田さん)
「2023年13頭取っているが全部オスだった。2024年は16頭全部メス、ということは2025年の増加の抑止になる。(駆除したシカは)解体研修に使って、自家消費用に持って帰る。動物関係の学校の解剖に提供したり、犬のブリーダーの方にも犬のエサ用に差し上げる。使えるものは使う」(北海道猟友会 奥田邦博 札幌支部長)
シカの被害や有効活用策を学ぶ取り組みも行われています。
北海道南部・知内町の知内中学校では1月26日、被害の実態やシカ肉になる過程を学ぶ食育の授業が。授業が終わると…