生活保護費計170万円余を“過少&過大支給” 書類廃棄や虚偽報告も判明 20代男性職員を停職処分に…札幌市「一斉点検」へ
札幌市西区役所の20代男性職員が、担当していた9世帯分、計170万円あまりの生活保護費を過大、過少支給をしたり、書類の廃棄や偽造などの不適切な処理をしたりしたなどとして、札幌市はこの職員を停職2か月の懲戒処分としました。
札幌市によりますと、この男性職員は西区役所のケースワーカーで、生活保護業務を担当していた2021年3月から2023年4月の約2年間で、6世帯の保護費計51万4165円を過少支給、2世帯には77万7636円を過大支給、1世帯には43万7301円を過大返還させる決定をし、計172万9102円の不適切な事務処理を行いました。
過少支給は、通院交通費など約4000円から約21万円などで、申請を受けながら行うべき手続きをしなかったり、忘れてしなかったりしたということです。
過大支給は、特別養護老人ホーム入所に伴い生活費を減額すべきところを虚偽の記録を作成して支給した約75万円、冬季加算の変更を失念した約2万6000円、計77万7636円にのぼります。
男性職員は、このほかにも保護費の私費での立て替えや、返還金決定の誤りなどをしていましたが、書類を廃棄したり、虚偽の記録を作成するなどしていたということです。
2023年7月、後任の職員あてに保護世帯から問い合わせがあり、一部支給されていないものがあることが判明。その後、この職員が担当していた288の全世帯を調査するなどした結果、不適切な処理が判明しました。
同市は、2023年9月までに対象世帯に説明と謝罪をしていますが、約75万円を過大支給した世帯はすでに死亡しているため、相続人などの状況を調査し、返還に向けた説明をするとしています。
同市によりますと、この職員は複雑で難しい事務処理を後回しにする傾向があり、上司に報告や相談をできず虚偽の報告をしていたほか、未処理の書類を定められた場所で保管する組織的なルールも守っていませんでした。