「プーチンカレンダー 2024年版」店頭に―上半身裸なし 兵器といっしょもなし “脱・タフ&マッチョ路線” スーツ姿を多用しクールな大統領へイメチェン
2023年も残り2か月を切り、ロシアの首都・モスクワでは新年のプーチン大統領のカレンダーが店頭に並んでいます。ウクライナ侵攻が長期化していますが、定番だった上半身裸の写真はなく、兵器といっしょに写る様子もありません。スーツ姿が多く、「タフ&マッチョ路線」から“クールな大統領”へとイメージチェンジを進めています。
「大統領のカレンダーは需要がある」手堅い人気商品
プーチンカレンダーはインターネットでの個人販売を含めると、無数にあります。言論統制に沿い、正規の流通品を扱っているとみられるモスクワの中心部の大型書店では4種類が売られています。いずれも壁掛け用でサイズが異なり、価格は250ルーブル(約400円)~950ルーブル(約1500円)です。
4種類のうち、2種類を手がけた出版社によりますと、プチーンカレンダーは手堅い人気商品です。出版社の担当は「大統領のカレンダーは需要があるので毎年作っている。2024年版はほぼ完売」と説明。ことしも売れ行きは好調だといいます。
マッチョな上半身裸は封印 スーツ姿でクールさ演出
4種類のカレンダーを分析しました。使用されている写真は計25枚。大半が大統領府や国営メディアからの転用です。アイスホッケーのユニフォームや柔道の道着を着た写真のほか、ハヤブサを肩に乗せたり、アイスクリームを手に持っていたりしていますが、大半はスーツ姿。20枚と8割を占めます。
プーチン大統領は71歳ですが、使用している写真は50~60代のものがほとんど。年齢を感じさせない対策だとみられます。
話題となる写真は姿を消しました。トレーニングで鍛え上げた上半身の露出もなし。戦闘機をはじめとした兵器といっしょに写ったショットもありません。理由を出版社の担当に問うと「様々な表情を見せる大統領の写真を集めた」といいます。