社会へつなぐ最後の“とりで”「自立援助ホーム」…児童養護施設や里親と違う「安全基地」 目標に向かい一歩ずつ進む若者たち
親の病気や虐待などで保護を必要とする子どもたちが過ごす場所として児童養護施設や里親などがありますが、「自立援助ホーム」という施設もあります。
15歳以上の若者の自立までをサポートするもので、社会的養護のいわば「最後の砦(とりで)」と言われています。そこで暮らす若者の姿と必要とされる支援のあり方を探ります。
「一希くん最近、勉強どうなの?」(職員)
「やってないです(笑)」(一希さん)
「宿題は?」(職員)
「最低限やってますよ」(一希さん)
ここは北海道釧路市にある自立援助ホーム「KCカルム」。
地元の旭川近郊の町で小学生の時にいじめに遭ったのがきっかけで家庭内で暴力を振るうようになり、11歳で児童養護施設に入りました。
「(家族と)一言もしゃべらないこともありましたし、家庭内暴力もありました」(一希さん)
しかし、児童養護施設でもいじめを受けるなど孤立を深めていき5年で退所。通っていた高校も中退しました。
家を出て、また施設を出て…。そこで出会ったのがこの自立援助ホームでした。
「否定されなくて肯定されるので、ちゃんとした居場所は見つかったのかなと思います」(一希さん)
親の病気や虐待などで子どもを保護する施設には児童養護施設や里親などがありますが、義務教育を終了した15歳から原則20歳までを対象に「自立援助ホーム」という施設があります。