普段はとれない“オオズワイガニ”が大量発生 直売所では1匹200円…深刻な漁業被害も 背景には赤潮で“タコ”激減か
北の海に、また異変です。
北海道日高地方の沿岸で、普段は取れないオオズワイガニが大量発生。
本来の漁に被害が及んでいます。
背景には、太平洋沿岸を襲った赤潮の影響を指摘する声もあります。

大量水揚げされたオオズワイガニ
日高地方のえりも町では、いまオオズワイガニが大量に水揚げされています。
漁師:「水揚げは約900kg。こんなことは初めて」
本来、この時期はタコやボタンエビの漁が最盛期のはずですが、異変が起きています。
オオズワイガニはほとんど市場に流通せず、現在水揚げされているものの多くは小ぶりで、商品価値も低いといいます。
漁協では苦肉の策として…。

1000匹以上も完売
小出 昌範 ディレクター:「えりも漁協直営の直売所ではオオズワイガニが販売されていて、朝から行列ができています」
えりも漁協の直売所で販売されているオオズワイガニ。
1匹なんと200円です。
6月8日は1時間40分ほどで1000匹以上を完売しました。
札幌市から買いにきた人:「近所の人とカニパーティをする約束をしています」
札幌市から買いにきた人:「50匹買いました。ゆでたり、カニ飯にしようかな」

小ぶりであるが、甘み強い
型は小ぶりですが、オオズワイガニは普段出回っているベニズワイガニや本ズワイガニよりも甘みが強いといいます。
破格の新鮮なカニを求め全国から問い合わせが殺到し、ネット通販では完売が続いています。
この状況の背景について、地元の漁業関係者は。

赤潮以降、ツブやタコがとれない状況
えりも漁業協同組合 金子 武彦さん:「突然、オオズワイガニが大量発生している。本来いまの時期はツブ・タコ・エビを中心にとっているが、2021年秋に発生した赤潮以降、全くツブもタコもとれない状況」
2021年、北海道東部の太平洋沿岸を襲った赤潮。
90億円を超える漁業被害がでました。
その影響でカニを餌とするタコが減り、オオズワイガニの大量発生につながったのではというのです。
タコの生態に詳しい専門家は。