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障がい者施設職員「虐待した」10%以上に…原因の6割が『ストレス』 入所中"カップル"になると退去求めらる実態も 北海道

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障がい者施設などの虐待行為の調査結果を公表した北海道

 北海道は2023年3月31日、障がい者施設などに対して行った虐待の実態把握や交際しているカップルの同居や結婚の状況などの調査結果(速報値)を公表しました。

 調査では「虐待行為等を行った」と回答した職員が256人と全体の10.6%を占め、このうち日常的に行ったとの回答が8.2%でした。

 この調査は障がい者施設の虐待の背景や要因、職員の勤務環境や業務上の課題などを把握する目的で北海道が行いました。

 対象は道内153の施設、4801人でこのうち約50%の2417人から回答がありました。

 調査では「虐待行為等を行ったことの有無」で、行ったと回答したのは256人で全体の10.6%を占めました。

 虐待行為の内容は複数回答で身体的虐待、心理的虐待、放置・放棄が約50%で、虐待の対象となったのは約90%が知的障がいのある人でした。

 虐待行為は「まれにある」と回答したのが60%を超えた一方で、「日常的」が8.2%。

 虐待行為の発生場所は複数回答で施設の共有スペースが63.3%、居室は61.7%、トイレが30.9%などでした。

 こうした虐待はレクリエーション・余暇活動、排せつ介助、食事介助などで主に行われていて、回答した職員の60%以上が「ストレスや感情コントロールの問題」だと認識していました。

調査結果を公表した北海道

 一方で北海道は、知的障がい者や精神障がい者などが入所する共同生活支援事業所における、結婚などの状況についても調査していて、対象の399事業所のうち、有効な回答は274事業所から得られました。

 夫婦や交際中のカップルが入居できる居室があると回答したのは、わずか18事業所しかありませんでした。

 また入居中にカップルとなった場合、引き続き住むことを「認めている」のが87事業所で、「認めていない」と回答したのは6割以上の163事業所でした。

 入居者同士の交際や結婚出産や育児を理由とした退去の有無では、15事業所で「退去者がいる」と回答しています。

 道内では障がい者施設での虐待事件が相次いで発覚していて、北海道北部の西興部村の障害者支援施設「清流の里」の元職員の30代から50代の男性5人が3月29日に略式起訴されています。

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