最大で21ミリも…建設中の複合高層ビルに"ズレ" 施工不良と虚偽報告発覚 15階まで組み上げた鉄骨撤去、建て直しへ 札幌
札幌中央区の道庁赤レンガ庁舎前に建設中の複合高層ビルの建設工事で、施工不良と数値の改ざんが発覚し、工事がやり直しとなることに、なりました。
完成は2年以上遅れる見通しです。
施工不良が見つかったのは 札幌・中央区北1条西5丁目で、大成建設が建設中の地上26階、地下2階の複合高層ビルです。

鉄骨のズレやコンクリートの厚さ不足など施工不良が多数発覚
工事を担当した大成建設によりますと、発注者のNTT都市開発から鉄骨のボルトが小さいとの指摘を受け、調査したところ、鉄骨の柱や梁が70か所で平均4ミリメートル、最大で21ミリメートルずれていたほか、コンクリートの床など245か所で、平均で厚さ6ミリメートル、最大で14ミリメートル薄かった事がわかりました。

品質管理担当者が虚偽の報告をしていたことも発覚
さらに、大成建設の社員で、現場に配属されていた品質管理の担当者は「工期が厳しくなるため、数ミリのズレであれば、問題ないと思った」として、虚偽の報告をしていたということです。
この担当者が品質管理を行ったビルは、今回が初めてだったということです。
このビルには外資系の高級ホテルや商業施設などが入る計画で、2024年2月の完成を目指していました。

地上部分のすべてと地下の是正部分を撤去し建て直すため完成は2年4カ月遅れる予定
工事は地上15階の約23%まで進んでいましたが、大成建設は地上部分の全てと、地下部分の是正か所を撤去した上で、建て直すとしていて、完成は2年4か月遅れの2026年6月末まで遅れる見通しです。
この件を受け、大成建設の取締役と執行役員の2人が、3月31日付で辞任するとしています。