女性隊員に性的暴行や横領まで…男性自衛官を懲戒免職 管理怠った10人も"大量処分" 陸自第5旅団「ハラスメント許さない」

隊員11人を処分した第5旅団司令部
北海道帯広市の陸上自衛隊第5旅団は2023年3月10日、部隊基金を横領したほか女性隊員に性的暴行をしたなどとして、31歳の男性隊員を懲戒免職としました。さらに、部隊基金の管理を怠ったとして、幹部自衛官を含む10人を減給などの懲戒処分としました。
懲戒免職処分となったのは、陸上自衛隊第5旅団第4普通科連隊に所属する31歳の男性3等陸曹です。
第5旅団司令部によりますと、男性隊員は2020年12月に部外宿泊施設で後輩隊員の女性に対し性的暴行をしたほか、2021年1月にも官舎で別の後輩隊員の女性に対して性的暴行をしました。
さらに2021年1月には、後輩隊員を指導する際、平手打ちなどの暴行を加えていました。
また、2020年5月ごろ、慶弔や福利厚生などの基金、「部隊基金」の紛失を確認したにも関わらず、報告を怠りました。さらに7月下旬、事務室で部隊基金から7000円を横領しました。
横領は基金の点検時、性的暴行は被害にあった隊員の同僚の相談で発覚しました。
男性は性的暴行については「同意を得ていたと思っていた」としたほか、暴行については「被害者に反省の態度が見られず激情してしまった」などとそれぞれ弁明しているということです。また、横領については「重大な事案の認識不足だった」としていますが、「自衛隊に対する国民の信頼を裏切る行為をしてしまったこと、及び関係者に多大な迷惑をかけたことを心より反省しております」と謝罪の意も示しているということです。
また、この関連で、幹部自衛官を含む10人が、基金の点検不足など管理を怠ったとして減給や戒告などの懲戒処分を受けました。
陸上自衛隊第5旅団長の鳥海誠司陸将補は「国民の皆様、そして被害に遭われた隊員に深くお詫びいたします。今回の事案を極めて深刻に受け止め、ハラスメントは絶対に許さない、見逃さないという覚悟で再発防止に全力で取り組みます」とコメントしています。