【ゴミの中から1000万円】 "虚偽"の申告は詐欺罪に問われる可能性…警察への問い合わせ相次ぐ…持ち主判明の決め手とは?
札幌市が回収した資源ごみからみつかった現金1000万円。依然落とし主はわかっていない。
現金1000万円は1月30午前9時すぎ、札幌市北区の資源ごみ回収施設で発見された。

札幌市の西区と手稲区で回収された雑紙の分別中に見つかった。
4月30日まで落とし主が見つからない場合、1000万円は民法の規定で札幌市のものになる。
この1000万円を巡り警察には3月3日時点で計13件の問い合わせが寄せられている。
その主な内容は、以下の通りだ。

■札幌の女性:「認知症の祖父母がごみに捨てたのでは」
■札幌の男性:「金額が違うが20万円なくした。1000万円に紛れているかも」
■京都府の男性:「自宅の数千万円がなくなった。娘が札幌にいたので、関係する人間が盗んで落としたのでは」
■札幌の女性:「知人に"なくしていないか"と言われ問い合わせた。現金を捨てた記憶がない」
事件性をうかがわせるものや、人から言われてというパターンまで、様々なバリエーションの問い合わせが来ているが、どうやって確かめたら良いのだろうか。

マチの声は…
Q お金を間違えてゴミに出すことは?
観光客:「いや、ないですね」
札幌市民:「ごみの中に1000万円を出してしまうなんて考えられない」
一方、法律の専門家は、警察に問い合わせが相次いでいることについて次のように警告する。

札幌みなみ法律事務所 磯部 真士 弁護士:「自分が落としていないものなのに、自分が落としたかのように届け出て、遺失物や金などを受け取ろうとすることは詐欺罪にあたる」
勘違いなどではなく、悪意を持って虚偽申告をした場合、罪に問われる可能性があるというのだ。
札幌みなみ法律事務所 磯部 真士 弁護士:「申告の時点で"詐欺未遂罪"が成立していることになるが、取り下げれば警察は立件まではしないだろう。(虚偽申告をした人は)今のうちに届出を取り下げることをすすめる」

現金1000万円は誰のものなのか…実は北海道では過去に多額の現金が持ち主に戻ったケースがある。
2012年6月 砂川市の廃棄物処理施設で、捨てられたマッサージチェアの中から現金1000万円が見つかり、大きなニュースとなった。
24件の問い合わせがあったが、結局、2年前に死亡した男性のものと判明。男性の長女に返還された。
持ち主判明の決め手は、現金についていた帯封。記された金融機関名と日付が、男性の定期預金の解約記録と一致したことだった。
果たして、今回の1000万円の持ち主は判明するのだろうか。