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「何かしてあげたい」父が流した涙 知床観光船沈没10か月 行方不明の息子 8歳誕生日に“思い出のフルーツケーキ”

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 北海道知床沖で観光船が沈没した事故から2月23日で10か月となります。
 
 家族の帰りを待つ父親、そして事故当時、乗客の搬送に当たった救急救命士の男性にいまの思いを聞きました。


 知床には流氷の季節がやってきました。

 この海に観光船KAZUI(カズワン)が沈没してから2月23日で10か月。

 いまも乗客6人の行方が分かっていません。

息子のために用意したケーキ

 家族2人の帰りを待ち続けている男性です。1月27日、行方不明の息子が8歳の誕生日を迎えました。 

 家族2人が行方不明の男性:「やっぱり、息子の誕生日は自分にとっての大事な日。いま苦しいのでどうしようかと思ったんですけど、何かしてあげたいなと思いました」

 用意したのは、ホールのフルーツケーキ。

 以前、3人でお祝いしたときと同じ、思い出のケーキです。

おととしの誕生日の様子

「お誕生日おめでとう!」

 家族2人が行方不明の男性:「思い出しますよね…。生まれたときは、感動しました。本当にうれしくて涙が出たのを覚えています。本当だったら、二人と一緒に誕生日のお祝いをしていたと思うんですけど、なんでこういう状況でひとりなのか…。誕生日おめでとう、8歳おめでとう」

行方不明者の家族の思いに応えようとする中島さん

行方不明者の家族の思いに応えようとする人がいます。

 北海道中標津町の中島 圭一さん。 

 毎日、10キロのランニングと1時間のトレーニングが日課です。

 中島 圭一さん:「登山とか冬山とかもそうなんですけど、長い時間かけて運動するときに必要になってくるので、持久力をつけるために走っています」

趣味は登山やスキー。

 これまで、羅臼岳をはじめとした知床連山などを登ってきました。

 中島さんにとっても観光船KAZUI(カズワン)の沈没事故は忘れられない出来事です。

救急救命士として搬送をしていたという

 中島さんは事故当時、消防署の救急救命士として発見された乗客の搬送をしていました。

 中島 圭一さん:「ヘリコプターが着陸してきて、必ずその中には要救助者がいるというのが自分の体の中に途中から染みついてきて、自分の中で『また来たんだ』という感じで見ていました。その光景が忘れられないですね。何人も何人も搬送されてくるので心苦しく思っていました」


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