遭難者はどこ?雪山で相次ぐバックカントリー遭難…"圏外"でもドローン活用で位置を特定 二次災害防止も
今シーズンも相次いでいるバックカントリースキーなどでの遭難事故。
携帯電話大手のソフトバンクなどは、遭難した人のスマートフォンの位置をドローンで特定し、救助につなげる仕組みを開発し、2月16日公開しました。

ドローンを使って位置を特定
2023年に入って北海道内で起きた山岳遭難はすでに37件。
このうち29件が、コース外を滑るバックカントリーによるものでした。
人気のスキー場があるニセコエリア。
倶知安消防署で山岳救助の指導を担ってきた加藤知也さんは、捜索の難しさをこう語ります。
倶知安消防署 加藤知也さん:「携帯電話がつながらないと119番がかけられない」「夏山と違って道がないし、雪崩の危険性もある」
そこで活用されるのがドローンです。

ソフトバンクと東京工業大学などが共同開発
小出 昌範 記者:「スマホの通信圏外で遭難者が出た想定で、ドローンを移動中継局として位置を特定するという訓練が行われています」
2月16日、北海道・ニセコ町のイワオヌプリで行われた捜索のデモンストレーション。
携帯電話大手のソフトバンクと東京工業大学などが共同で開発した、新たな捜索の仕組みが披露されました。
携帯電話の圏外でもドローンを中継局とすることで、遭難者の位置情報を消防や警察などの機関に送ることができます。
そして、捜索隊はその情報をもとに行動します。
デモンストレーションは、地元の消防と合同で行われ、携帯電話がつながらない遭難者の位置をドローンを使って確認しました。

ドローンを使った捜索の仕組み
一方、北海道内では日本語でやりとりができない外国人スキー客の遭難も相次いでいます。
バックカントリーによる遭難者46人のうち外国人は17人。アフターコロナで今後、北海道内を訪れる外国人はさらに増えるとみられます。
今回開発されたシステムでは、日本語で通報ができなくても位置を特定できるのが強みです。
羊蹄山ろく消防組合 川口 英樹さん:「場所が分からないのが一番困るのでそれを特定できるのが素晴らしいこと」「1人でも多くの人がこのシステムで救助できれば」