「墓参だけでも…」平均年齢は87歳 高齢化進む元島が切望 北方領土の日に"3年ぶり"住民大会 ウクライナ侵攻で関係悪化も
2月7日は北方領土の日です。
ロシアのウクライナ侵攻の影響で日ロ関係が悪化する中、コロナ禍で自粛が続いていた集会が再開され、領土返還を求めるシュプレヒコールが響きました。
元島民ら:「北方領土を返せ!北方領土の問題を解決しよう!」
1855年2月7日にロシアとの間で、北方四島を日本の領土とする条約が結ばれたことにちなんだ「北方領土の日」。
北海道東部の羅臼町では元島民らが集まり、国後島を望みながら切実な思いを訴えました。

ウクライナ侵攻後、ロシア側は政府間交渉に応じない状態が続く
ウクライナ侵攻後、ロシア側はビザなし交流などの協定を一方的に破棄したほか、北方領土周辺海域のスケトウダラ漁などの「安全操業」に関する政府間協議にも応じず、日ロ関係の悪化が続いています。
千島連盟羅臼支部 鈴木 日出男 支部長:「(領土問題を)早く解決して元島民の方々が安心して、先祖にゆっくりと手を合わせることができればと思っている」

元島民の平均年齢は87歳に 「墓参だけでも実現してもらう」
シュプレヒコール:「北方領土を返せ!」
根室市では3年ぶりに一般の参加者を交えて住民大会が開かれ、約850人が集まりました。
元島民の平均年齢は87歳。
一日も早い返還を願っています。
元島民(色丹島出身)得能 宏さん:「とりあえず墓参だけは絶対にどんなことがあっても実現してもらう。期待はしています」

さっぽろ雪まつり会場でも3年ぶりに「北方領土フェスティバル」
一方、札幌の雪まつり会場でも3年ぶりに集会が開かれ、返還に向けた決意が述べられました。
北方領土復帰期成同盟:「日ロ関係が今、少し厳しい状況にあると思っていますこうした時だからこそ、国民の思いを結集して、粘り強く返還要求運動を進めていくことが大切だと思う」
札幌市内では署名活動も。
署名した人:「(北方領土は」もともとは日本のものだったし、日本のものであり続けて欲しいと思います」
署名した人:「(北方領土を)日本に早く戻してほしいと思いました」

岸田首相も領土問題"解決"の方針を強調
また、東京では岸田首相が領土問題の解決への決意を改めて強調しました。
岸田 文雄 首相:「政府として領土問題を解決し、平和条約を締結するという方針を堅持する」

元島民はふるさと返還と交流再開を強く願っている
日ロ関係改善の見通しが立たたない中で迎えた北方領土の日。
元島民たちは大きな不安を感じながらも、ふるさとの返還と交流再開を強く訴えました。