「水道水から油の臭いがする」 発がん性物質“ベンゼン”検出から半年…市の対応の遅さに住民は不信感 北海道室蘭市
北海道室蘭市で水道水から、国の基準値を超える発がん性物質「ベンゼン」が検出されてから2月8日で半年です。
対応の遅さもあって住民の不安は募るばかり。今後事態はどうなるのでしょうか。
住民:「心配だから夜も寝られない」
住民:「水道水を飲むと、ハンドクリームで口の中をコーティングされる感じ」

水道水から発がん性物質「ベンゼン」が検出された
2022年8月、室蘭市高砂町の水道水から国の基準の2倍の発がん性物質「ベンゼン」を検出。
住民の「油の臭いがする」という通報で市が調査し判明しました。
給油所からガソリンが漏れ水道水に混入したためで、給油所を所有するENEOSによりますと漏れた量は推定2100リットル。

給油所からガソリンが漏れ水道水に混入…漏れた量は推定2100リットル
その時期は2020年10月以降としていますが、住民からは異論も。
住民:「2~3年くらい前から感じていた。2022年6月に水道局に最後に連絡したとき、臭気が強くて確信に変わった」
一部住民はもっと前から市に対して異臭などの苦情を寄せていました。
対応の遅さに不信感を募らせています。
住民:「室蘭市の対応はひどい」
住民:「私たち市民からの電話は一切聞いてもらえなかった。『油臭い』と通報したときは『家の灯油タンクが漏れているのでは』と言われた」

室蘭市の"対応の遅さ"不信感が募る市民
室蘭市は被害を受けた19世帯に対して、過去10年間の水道料金相当額を謝罪金として支払う方針です。
市の責任について公害や環境問題に詳しい専門家は。
すがさわ法律事務所 菅澤 紀生 弁護士:「安全な水を提供するべき義務があるにも関わらず、環境基準違反のベンゼンを含んだ水を一定の期間提供してしまったので、債務不履行・約束違反で損害賠償請求が考えられる」

浄化作業が1月から始まった…しかし"汚染された土壌"はそのまま
現在も付近の地下水からはベンゼンが検出され、浄化作業が1月から始まりました。
しかし、汚染された土壌はそのままです。
住民の不安が解消されるのはいつになるのでしょうか?