次々と牛を襲い包囲網すり抜ける"忍者グマ"「OSO18」 実は普通のクマだった? 冬眠明けの2月末から本格追跡へ 北海道

実は普通のヒグマだった? OSO18
北海道で乳牛を次々と襲い「巨大グマ」「忍者グマ」などと恐れられているOSO18。その捕まらない原因の一つが"過剰なイメージ像"にあった可能性が浮上してきました。
厚岸町や標茶町の牧場では、4年前から放牧中の牛あわせて65頭が「OSO18」とみられるクマに襲われていて、酪農家は大きな打撃を受けています。

OSO18対策の説明会の様子
厚岸町は1月17日、OSO18対策について地元酪農家向けの説明会を開きました。
説明会では、調査にあたっているNPO法人 南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖理事長から、OSO18は ▼約2メートル ▼体重220キロから320キロほど ▼前足の幅は16センチから17センチと、一般的なヒグマの成獣と変わらない大きさであることが報告されました。

乳牛を次々と襲うも捕まらないOSO18
OSO18は、牛がどこにいるのか判断して行動したり、人の気配にとても敏感であるとされてきましたが、藤本理事長は「OSO18は、いい思いをしたところばかり歩いている。初めての場所で牛を襲うのではなく、過去の現場の隣などを歩いているだけ」と分析。行動パターンや獲物に対する執着心は「普通のクマと変わらない」としました。

"忍者グマ"とも言われていたが…
そのうえで藤本理事長は「"巨大グマ"とか"忍者グマ"という認識が一人歩きしているが、特徴としてはOSO18は"普通のクマ"だ。そのため目撃されてもOSO18だと分からないこともあった」と、捕獲されないまま今日に至った理由を指摘。
今後被害を出さないため、地道に足跡を探し追跡することが大事だとしました。

地道な追跡が大事だと強調する藤本理事長
OSO18は冬眠に入ったとみられていますが、地元では、冬眠明けの2月末から追跡調査を再開する予定です。
OSO18の可能性があるクマを目撃したり、前足幅が16センチ以上の足跡を発見した際はすぐに役場に連絡するよう呼びかけています。