「止まれ」英語の「STOP」併記 導入進む…上富良野の外国人死亡事故現場にはなく"見落とした"可能性

現場交差点の一時停止の標識(北海道上富良野町=2023月1月10日)
北海道上富良野町の道道で1月10日、乗用車とダンプカーが衝突し、乗用車に乗っていた外国からの観光客の女性と女性の赤ちゃんが死亡した事故。
警察で事故原因を調べていますが、これまでの調べで、乗用車側に一時停止の標識があり、見過ごした可能性があるということです。
10日午前11時半過ぎ、上富良野町東4線北の道道を南方面に走行していた乗用車が、左から来たダンプカーと衝突。
この事故で、乗用車に乗っていた外国人の家族4人が病院に搬送されましたが、シンガポール国籍の女性(41)、女性の次女で生後4か月の赤ちゃんが死亡しました。

外国人家族が乗っていたレンタカー(北海道上富良野町=2023月1月10日)
また、乗用車を運転していた女性の夫でインド国籍の44歳の男性は腰付近の骨を折る重傷で、3歳の長女は頭にケガをしました。
警察によりますと、4人はシンガポールから北海道に観光で訪れていて、乗っていた車はレンタカーでした。
現場は信号機のない十字路交差点で、警察が事故原因を調べていますが、今のところ乗用車がスリップした可能性は低く、一時停止を看過した可能性があるということです。

事故の現場(北海道上富良野町=2023月1月10日)
北海道警によりますと、「止まれ」(一時停止)の標識は、道内には約10万6000カ所(2022年)あるということです。
2020年の東京五輪・パラリンピックを機に、日本語の「止まれ」に「STOP」の英語も併記した新デザインの道路標識が全国で導入される動きがあり、道内では2022年末現在、5031カ所に「STOP」を併記した標識が設置されていて、道警では増やしていく方針です。
基本的には、新規に標識を設置する場合や、更新する場合に導入するということです。

事故の現場(北海道上富良野町=2023月1月10日)
上富良野町の事故現場の一時停止「止まれ」には英語が併記されておらず、日本語の「止まれ」を読めなかった可能性も排除できないということです。
一方、こうした冬道の安全対策のため、レンタカー店も外国人には標識について説明することになっていて、現場の標識も大きなものでした。
長年にわたり雪道を経験している住民でも、冬は走行が難しいことが多く、少なくとも今回の事故では、雪道に慣れていなかった可能性は高いとみられています。
各地に観光地があり、冬は道路状況が悪くなる北海道では、標識を含め早めの対策を講じた方が良い地域がありそうです。