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【注目】まるでウナギ?絶品グルメ「黒ハモ丼」市場に出回らない"未利用魚"どう生かす?

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 北海道東部の羅臼町に知る人ぞ知る絶品グルメがあります。その名も「黒ハモ丼」。実はあまり市場に出回らない魚を利用したメニューなのですがいま注目を集めています。

 重箱にずっしりとのった肉厚な「かば焼き」。一見、ウナギのようにも見えますが…

 田中 うた乃 記者:「やわらかくてふっくらとしています。味はウナギに似ていますが、ウナギよりも脂がのっていて、とてもおいしいです」

 このメニューは「黒ハモ丼」という知る人ぞ知る絶品グルメ。北海道・羅臼町にある知床食堂の名物で、多いときには1日100食以上も注文があります。

1日100食以上注文がある「黒ハモ丼」

 黒ハモ丼を食べた客:「初めてです。ふわふわの中に弾力があってすごくおいしいです」

 黒ハモ丼を食べた客:「ちょうど良い脂でおいしいですね」

 では、そもそも「黒ハモ」というのはどんな魚なのでしょうか。

 この日、港に戻ってきた、はえ縄漁の船。水揚げされた中には、その「黒ハモ」が入っていました。

黒ハモ=イラコアナゴ

 田中 うた乃 記者:「こちら黒ハモなんですけど、とても長くて80センチほどありそうです。重さもかなりありますね」

 黒ハモの正式名称は「イラコアナゴ」。水深400メートルから2千メートルに多く生息する深海魚です。

 地元の漁師の話では色が黒く、形がハモに似ているので「黒ハモ」と呼ばれています。

 羅臼町では昔からとれていましたが、漁師たちが食べる以外はあまり流通することはありませんでした。

 漁師 石田一美さん:「昔はうちの、まかない程度。あまり流通されていなかったので、価格的には安くなった」

 知床食堂で黒ハモを使いはじめたのは約10年前。小骨が多いため、包丁で細かく切り込みを入れる「骨切り」をして食べやすくしたほか皮をバーナーで炙って香ばしく仕上げるなど改良を重ねてきました。

小骨が多いので骨切りをして食べやすく

 知床食堂 野村 浩司 社長:「羅臼の港で水揚げがあるので、それを丼にしたらおいしいのではないかということで作りました。観光客の人は特にハモ丼を目当てにここの店に来る人が多いです」

 このように知名度の低さや漁獲の不安定さから市場に出回らない魚「未利用魚」を活用しようとする動きが各地で広まっています。

 厚岸翔洋高校では3年生2人がかまぼこを開発しました。

 漁の実習や地元の漁業者の話から未利用魚の多さに気づき、ほとんど食用にならない「アメマス」を使うことにしました。


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