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障害者の結婚に“不妊処置”を提案 「強制ではない」…背景に子育て支援の限界か 専門家からは“人権侵害”の指摘も

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 北海道南部の江差町にあるグループホームで、知的障害のある入所者が結婚などを希望した際、子育てを支援する体制が整っていないことから不妊処置を提案していたことがわかりました。

 あすなろ福祉会 樋口 英俊 理事長:「子どもが欲しいと言われたことはないです」

 不妊処置を提案していたのは江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」です。運営するグループホームで知的障害のある入所者が結婚や同居を希望した場合、出産後の子育てを支援する体制が整っていないことなどを理由に、20年以上前から不妊処置を提案していました。

 あすなろ福祉会 梅村 雅晴 常務理事:「保護者と本人の意思で避妊の手術を望むということです。利用者の望みです。なかなか結婚や同居さえできない状況で、本人たちの自由に恋愛や結婚がしたいという言葉をかなえてあげたいという気持ちからやったことです。強制したことは一度もない」

「保護者と本人の意思で避妊の手術を望む」と梅村常務理事

 不妊処置に同意し、9年前から施設内で一緒に暮らす入所者は。

 不妊処置に同意した入所者:「納得してやると決めたので、子どもは望んでいないです。ただ一緒にいたい。今は幸せです」

 これまで施設側からの提案に少なくとも8組16人が応じ、保護者からも同意を得ていたということです。

 不妊処置に同意した入居者:「子どもを育てる勇気がない。生活ができないから、ここを出たら生活が無理」

不妊処置に同意した入居者

 施設側は処置を拒否して退去した人はおらず、結婚の条件にはしていないといいます。

 あすなろ福祉会 樋口 英俊 理事長:「不妊が条件と一部で報道されているが、それが嫌で外へ出ていった人は1人もいません」

 施設側が不妊処置を提案した背景には、グループホームで暮らす障害者の出産や育児の支援制度が整っていないことがあるといいます。

 あすなろ福祉会 樋口 英俊 理事長:「ケアの対象ではないんで、生まれてくる子どもが。それは家族と相談して方向を決めた方が良いですよと。現段階では障害のある人たちの結婚生活では、我々もケアの限界があるということです」

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