年中無休で患者の自宅に向かう医師…北海道初”ファストドクター”に密着 救急現場のひっ迫を防ぐ受け皿へ
北海道札幌市の医療機関がベンチャー企業と連携して、年中無休で夜間の往診を始めました。注目の新たな医療サービスとは。
新井 洋輔 医師:「北14条クリニック医師の新井です。往診に参りました」
診察から薬の処方まで、365日、年中無休の”移動する病院”。
命をつなぐ取り組みに密着しました。
本格的な冬の到来となった12月1日、新井洋輔医師は札幌市内の患者のもとへ向かっていました。

北14条クリニック 新井医師
新井 洋輔 医師:「北14条クリニック医師の新井です。往診に参りました」
この日の患者は40代の男性です。
発熱の症状があり、往診を依頼しました。
患者:「5分くらい前に(熱を)測って39度になった」
新井 洋輔 医師:「息がけっこう上がっているので苦しいのかなと。だるさが一番?喉とか痛いですか?」
患者:「喉が痛いのはない。だるさと寒気ですね」
男性は妻が新型コロナウイルスに感染して自宅で療養しているため、自身も4度、抗原検査を行いましたが、すべて陰性だったといいます。ところが…。

自身で行った検査では4度陰性
新井 洋輔 医師:「ほぼ確定でコロナウイルス感染症陽性になりますね。自分でそこまで(鼻の奥に)突っ込む人は多くない」
患者:「確かにそうですね」
新井 洋輔 医師:「(検査を)自身でやっても陰性になる可能性があります」
新井医師は男性に解熱鎮痛剤を処方して診療を終えました。
新井 洋輔 医師:「酸素の取り込みは問題なかったので自宅療養が可能と判断した」
夜間や休日に往診するこのサービスは、札幌市東区の訪問診療を軸とする医療機関、札幌北14条クリニックが行っています。

訪問診療を軸とする医療機関
東京で時間外救急のプラットフォームを提供する「ファストドクター」と北海道の医療機関で初めて連携し、2022年9月からスタートしました。
往診を希望する患者は、電話やスマートフォンのアプリを通じて予約します。
消防庁の基準に基づいて治療の必要性が判断され、往診を担当する医師のもとに患者の情報が送られる仕組みです。