核のごみと町の未来は 17歳の提言 "文献調査"から2年 北海道寿都町と福島県の高校生が交流
高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場選定に向けた調査が北海道の寿都町と神恵内村で始まって2年が過ぎました。
しかし国民的な関心は高まらないままです。
そうした中、寿都町と福島県の高校生が交流。核の問題への提言をまとめました。17歳の訴えとは。
2年前には想像もできなかった事態が世界を覆っています。
ロシアによるウクライナ侵攻。そして世界的なエネルギー需給のひっ迫。岸田首相は原発の「最大限活用」を掲げています。
一方で原発から出る核のごみへの関心は高まらないままです。
そうした中、寿都町と福島県の高校生が交流。自分たちは核とどう向き合うべきか。
高校生:「自分の意見を絶対視するのではなく」
答えを探す、17歳の旅です。
核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査に応募したことで、この2年間 議論の中心にいた寿都町の片岡春雄町長。

寿都町の片岡春雄町長
町を訪れる若者たちを出迎えにきました。やってきたのは高校生たち。
2022年、寿都町と福島県の高校生は互いの故郷を訪れました。
核にどう向き合うべきか、自分たちの答えを出したいと考えました。
福島県の訪問では廃炉作業が続けられる福島第一原発を訪れました。

福島第一原発を訪れた寿都町の高校生
東京電力の担当者:「2号機もまだ使用済み燃料プールから燃料の取り出しは行われておりません」
巨大な電力を生み出してきた力と廃炉作業を阻む放射線。核の現実を見つめます。
寿都高校1年 中山 凌空さん:「(原発事故は)経験していないが、すごく大きかったんだなと思った。見るだけで心が痛くなった」
さらに東日本大震災が起きた時のままになっている、小学校も訪れました。
寿都町の将来を考えたいと参加した沖田一心さん、事故の厳しさを目の当たりにしました。
寿都高校2年 沖田 一心さん:「これが自分の地元だったらやるせない」
研修会を企画した福島のNPO法人の理事長、西本由美子さん。
寿都町で進められている文献調査についての賛否を決める前に自分で見て聞いて考えることが大切だと考えています。
ハッピーロードネット 西本 由美子 理事長:「子どもたちと核のごみ。福島県も寿都町も同じ話題を抱えているが、抱えているだけでなかなか言葉に出せない子どもたちがいる。自分の目で確かめてほしい。そのうえで何をしなければならないかを全国に発信したり世界に発信できたら素敵ではないか」