マラソン大会で“心肺停止” とっさの行動で命を救う…障害残らず社会復帰 市民3人が消防署により表彰
マラソン大会の最中に突然心肺停止で倒れた男性。周りにいた人のとっさの行動で命が救われました。その勇気ある3人が消防署に表彰されました。
札幌市豊平消防署 設楽 浩之 署長:「的確な応急手当を行い、尊い生命の救護に尽力しました」
表彰されたのは北海道札幌市の看護師・山本一真さんと、老人福祉施設スタッフ・増川尚美さん、北斗市のスポーツクラブスタッフ・平山涼太さんの3人です。
3人は9月10日、札幌ドームで行なわれた「6時間リレーマラソン」の競技中、心肺停止で突然倒れた51歳の男性に胸骨圧迫などを行い命を救いました。

看護師・山本一真さん、老人福祉施設スタッフ・増川尚美さん、スポーツクラブスタッフ・平山涼太さんの3人
看護師 山本 一真さん(40):「男性に駆け寄ったら心肺停止状態だった」
心肺が回復するまでの時間は約5分。
素早い救命のおかげで、男性は脳などにも障害が残らなかったといいます。
老人福祉施設スタッフ 増川 尚美さん(41):「気になっていたので、すごくほっとした」
スポーツクラブ スタッフ 平山 涼太さん(25):「自分のやったことが倒れた方のためにもなり、本当に良かった」

応急手当で変わる生存率
命を救うには初期対応が非常に大事です。
総務省・消防庁によりますと、119番通報をしてから、救急車が到着するまでの時間は平均で約8.9分かかります。
心肺停止のケースの場合、1か月後の生存率をみると…
一般市民が応急手当をした場合 15.2%
一般市民が応急手当をしなかった場合 8.2%
なんと2倍近い差が生じています。救急車が到着するまでの間、まわりの人が応急手当をできるかどうかで、生存率が大きく変わってしまうのです。
初期対応について普段からシミュレーションしておくことがとても大事です。
消防庁では一般市民向けに「応急手当WEB講習」のホームページを設置し、受講を呼び掛けています。