7月参院選 1票の格差は「違憲状態」 札幌高裁が判断 選挙無効の請求は棄却 北海道

判決を報告する原告たち(札幌高裁=2022年10月27日午後2時20分ごろ)
2022年7月の参議院選挙の「1票の格差」が憲法に違反するとして、北海道内の有権者が選挙の無効を求めた裁判で、札幌高裁は10月27日、「違憲状態」とする判断を示しました。
7月の参院選をめぐっては、議員定数あたりの人口の差で生じる「1票の格差」が最大で3.03倍となり、1票の「投票価値の平等」を実現しておらず、憲法違反だとして、選挙の無効を訴える裁判が全国で相次いでいます。
北海道選挙区の無効を求めた27日の裁判で、札幌高裁の大竹優子裁判長は、「格差是正に向けた立法府(国会)の取り組みは不十分であり、投票価値の平等の実現という憲法上の要請に照らした場合、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったと言わざるを得ない」などとして「違憲状態」の判断を示しました。
一方で、「選挙制度の改革の実現は漸進的(ぜんしんてき、順を追ってだんだんと実現していくこと)にならざるを得ない」とし「合区(ごうく、複数の選挙区を統合すること)に反対する強い意見があることなどから、今回までに定数配分規定が是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとは言えない」「7月の参院選までの定数配分規定が憲法に違反するとは言えない」として、選挙無効を求める訴えは退けました。
「1票の格差」をめぐる一連の裁判では、今回の札幌高裁を含め「違憲状態」が3件、「合憲」が2件となりました。