「赤字だ」北海道の"酪農家"襲う"ウクライナ危機・円安"…餌代高騰・子牛競り値の大暴落で存続の危機に
コロナ禍だった2年前、生乳の消費を増やしたいとある洋菓子店がシュークリームを新たに開発しました。
札幌市・手稲区で人気の洋菓子店「べんべや」です。
benbeya 土井 大輔 代表:「こちらがパリジェンヌです」

"生乳の消費を増やすため"新たに開発されたシュークリーム
それまではカスタードのみを使用していましたが、より多くの生乳を使用できるよう生クリームも追加しました。
きっかけは、コロナ禍での生乳余りです。
学校給食がなくなったことや飲食店の休業で牛乳の消費が落ち込みました。
べんべやでは、このシュークリームの開発をきっかけに、他の洋菓子でも生乳を使用する量を増やしましたが年間で10%しか増やすことができませんでした。
benbeya 土井 大輔 代表:「実際うちも商品を販売している中で、その程度か。自分のお店だけではなく、お菓子屋さん、スーパー、コンビニも含めてどんどん生乳、生クリーム、バターを消費できる動きがあれば」
消費が回復していないなか11月から牛乳が値上げされます。
額は1リットルあたり、最大で約1割。値上げは実に3年7か月ぶりです。

3年7カ月ぶりの値上がりとなった「牛乳」
さらに値上げはヨーグルトなどの乳製品でも。
消費者:「牛乳は毎日飲んでる。私もヨーグルトは毎日だから。ちょっと痛いですよね」
酪農家を訪ねてみると、かつてない危機が広がっていました。
「赤字です。来年いっぱいやったら終わりだね」
「この状態が来年も続いたらもうみんな半分以上がいなくなると思う」
原因は終わりの見えないウクライナ危機と円安。
北海道の酪農家に、何が起こっているのでしょうか。

"ウクライナ危機と円安"により酪農家が危機に…
乳牛4万頭が飼育されている道東の中標津町。ここで酪農を営む佐藤 範憲さん。
中標津町 酪農家 佐藤 範憲さん:「うまいかぁ。うまいな」
息子で4代目の翔平さん。一家は乳牛300頭を飼育していますが、今、かつてない危機に見舞われています。
一つ目の理由は、餌代の高騰。配合飼料はほとんどが輸入で、主要な産地はウクライナとロシア。