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"大黒柱"失った吹奏楽団 胆振東部地震"4年目"の夏 亡き指揮者の思いと「未来を奏でたい」厚真に響く

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 北海道・厚真町に"あの日"、大黒柱の指揮者を失った吹奏楽団があります。被災から4年、亡き指揮者への思いと再出発を追いました。

 ♪上を向いて歩こう

 2022年8月30日、北海道厚真町の児童会館。

 この日、厚真町民吹奏楽団のメンバーが音を合わせていました。

活動を再開した「厚真町民吹奏楽団」

 厚真町民吹奏楽団 山野下 誠さん:「やっぱり忘れられない、忘れることはない」

 厚真町民吹奏楽団 下司 義之さん:「どうしても9月のこの時期になると、当時のことが思い浮かんできますよね」

 厚真町民吹奏楽団 下司 義之さん:「震災の後は逆に活動が活発になっていた。そのままいくかと思ったらコロナになって、また今、落ち着いて活動再開って感じ」

 マチを襲った地震。さらに復興のさなか、新型コロナが追い打ちをかけました。

 2年前から休止を余儀なくされた楽団はようやくこの夏、活動を再開しました。

 ただ、ほかの楽団と違うのは指揮者がいないことです。

 厚真町民吹奏楽団 指揮者 松下 一彦さん:「ありがとうございます。『木星』」

 中心でタクトを振る松下一彦さん。

20年以上指揮者を務めた松下一彦さん

 松下さんは農業を営みながら町民によるブラスバンド「厚真町民吹奏楽団」の指揮者を20年以上、務めてきました。

 しかし4年前、震度7の地震によって自宅で土砂崩れに巻き込まれ、長男とともに犠牲となったのです。

 松下さんの自宅があった場所で手を合わせるのは、厚真町に住む高橋尚揮さんです。

高橋尚揮さんは松下さんの親戚にあたる

 高橋さんにとって松下さんは祖母の弟に当たります。

 音楽の楽しさを教えてくれた人で、「かずおじさん」と慕っていました。

 厚真町民吹奏楽団 高橋 尚揮さん:「じいちゃんみたいなすごい優しい人」

 高橋さんは学生時代から楽団でパーカッションを担当。誘ったのは松下さんでした。

 高橋さんが演奏会場に行くときによく乗せてもらったという「かずおじさん」の軽トラック。

 思い出が詰まったその車は震災当時、土砂崩れで流され、後日、畑の中で見つかりました。

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