「ビザなし」政府間協定を"一方的破棄" ウクライナ侵攻巡る制裁に報復か…ロシア外務省が日本側に通知へ

ロシア政府庁舎(公式HPより)
ロシア政府は2022年9月5日、北方領土への「ビザなし交流」などに関する日本との政府間協定を一方的に終了させると発表しました。
ロシア側が一方的に破棄したのは、日ロ両政府が北方領土の元島民の日本人と、現在居住しているロシア人を対象に、ビザなしで相互訪問する「ビザなし交流」や、元島民を対象に簡易的な手続きでの訪問を認める「自由訪問」の協定です。
ロシアメディアによりますと、ロシア外務省に、この決定を日本側に伝えるよう指示があったということです。
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、日本が経済制裁を課したことで、ロシア外務省は2022年3月、交流を停止していましたが、今回の決定は、経済制裁を続ける日本に対する報復措置とみられます。
一方で、このタイミングでの決定は、ビザなし交流の活性化などを含めた「日ソ共同声明」に署名した、旧ソ連のゴルバチョフ元大統領が2022年8月30日に死去したことが影響している、との見方もあります。
ビザなし交流を始めたゴルバチョフ元大統領に義理立てる必要がなくなったことで、今後、ロシアは強行姿勢をさらに強める可能性もあります。