「地元だったら…」寿都町高校生が考える「核のごみ」復興途中の福島県訪れ向き合う"核の今と町の未来"
高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定にむけて文献調査が進む寿都町の高校生が、この夏福島県を訪れました。
17歳が見つめた核の今と未来です。
夏も強い風が吹く寿都町。
夏休み中の高校に生徒が集まってきました。
寿都高校生:「福島のことをいろいろ知れたらいいなと思います」
高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向けた文献調査が続く寿都町。
生徒たちが向かうのは、原発事故から復興途中の福島県です。
動き出す核のごみの処分。変わらない被災地。
17歳が考える、北海道のこれから。
特産のウニ漁が最盛期を迎えた8月。
寿都高校の生徒は福島に向かう準備に追われていました。

寿都高校
2年生の沖田一心さんが被災地へ行く理由。
寿都高校2年 沖田 一心さん:「寿都町が核のごみの処分場の調査を始めたのがきっかけです」
住んでいるのは隣の島牧村ですが、寿都での文献調査は自分たちの未来に関わると感じています。
1年生の三浦碧唯さんは、福島県での体験を将来の町づくりに活かしたいと考えました。
寿都高校1年 三浦 碧唯さん:「寿都町に協力できるようなことを体験したい」
今回の研修には寿都の高校生10人と福島の高校生10人が参加。
寿都と福島をお互いに訪問する形で行います。
福島を訪れた生徒の前に広がっていたのは、むき出しの鉄骨が残る福島第一原発です。

むき出しの鉄骨が残る福島第一原発
廃炉に向けた作業を続けています。
東京電力の担当者:「4号機の燃料プールに一番燃料が入っていたので、4号機から一番最初に工事を着手した」
東日本大震災当時、5歳から6歳だった生徒たち。
初めて見る原発事故の現場です。
東京電力の担当者:「2号機もまだ、使用済み燃料プールから燃料の取り出しの方は行われておりません。なるべく作業員が被ばくしないように時間短縮に努めています」
ときおり響く警告音のようなものが高校生を緊張させます。
寿都高校1年 中山 凌空さん:「第一原発のがれきがあって、10年以上経ってもあれだけ残っているとは(原発事故は)経験していないけど、すごく大きかったんだなと思った。見るだけで心が痛くなった」
原発を間近に見て考えが揺らぎます。
寿都高校1年 中山 凌空さん:「持ってきたりするのもダメなのかなと。いまいちわからない気持ちです」
研修会を企画した福島のNPO法人の理事長西本由美子さん、賛成か反対かの前に自分で見て、考えることが何より大切だと話します。